巨人・日シリ4タテに見るセリーグ凋落の本当の原因

巨人・日シリ4タテに見るセリーグ凋落の本当の原因

巨人とソフトバンクとが激突したプロ野球の日本シリーズ。終わってみればソフトバンクが負けなしの4連勝、圧勝だった。敗れた巨人は、昨オフにも数十億円とされる大型補強を断行したが、念願の日本一には届かなかった。その戦略の是非が改めて問わることになりそうだ。

情報源: 日本S・屈辱4連敗で終戦の巨人、「乱獲」の限界 ついに巡ってきた、ライバルチームの中心選手「強奪」の因果 | JBpress(Japan Business Press)

日本シリーズ、あっという間に終わっちまったよな(笑)。

まぁアタクシはもともとカープの試合以外はあまり見ない。特にポストシーズンはCS制度が始まってから、カープが出てないシーズンはほとんど観ない。

また、観ないで語ると怒られるんで日本シリーズについては何も書かないけどな、これで7年連続でパリーグのチームが日本シリーズを制した。交流戦もパリーグ優位は変わらない。現場復帰した巨人・原監督もセパのレベルの差が開いていることを痛感しただろうねぇ。

なぜ、セパの力の差が開いてしまったんだろう?この議論は交流戦の結果が出る度に語られるんだけど、「これだ!」という答えには巡り合えないでいた。よく言われるのが「DH制」。まぁそれもあるんだろうけどな、今一つ腑に落ちないでいたのよ。

そんな時、見出しの引用の記事日本S・屈辱4連敗で終戦の巨人、「乱獲」の限界に巡り合った。なるほどと。結局はセパ両リーグをけん引する、「金持ち球団」の考え方と行動ね、結局ここが両リーグの明暗を分けている。その蓄積が今の状態を作り出している。アタクシは非常に合点がいったんだよな。

今、とある若者とメールのやり取りをしている。あったことのない若者。彼とFAについてメールで意見交換をしている。彼は非常に聡明で先を見通す力があり、きちんと自分の考えをぶつけてくる。非常に勉強もしている。

彼はFAの活発化を訴えている。長期間にわたり球団に拘束されても出番のない選手が移籍ができるような制度を望んでいる。これは非常にいいことだよな。FAは在籍4年でいいという持論。

アタクシはそういった出場機会に恵まれない選手というのはもっと出番を与えられる環境を与えるべきだと思うし、それが日本の野球の発展にもつながると思う。ただこと「FA」となれば、結局は金のある球団が有望な若手を抱え込むことになり、それなりの金を積むことになる。カープファンは丸を巨人に奪われ「結局は金かよ」と恨み節が出たように、結局は金のある球団が優位になることは十分に考えられるよな。

FA制度とは結局は金のかかる制度。これは権利の取得年数が短くなればなるほど、有望な若手、伸びてきた若手を「乱獲」される危険性をはらむ。昨オフに話のあった「現役ドラフト」の方が健全で戦力の均衡化に役立つだろう。

金のかかる制度が増えていけば、ついていけない球団が出てくる。基本日本のプロ野球は企業スポーツの延長みたいなもので、球団の赤字は親会社が広告費名目で補填している。当然、赤字額が増え、親会社がプロ野球球団を持つメリットを感じなければ「撤退」という選択肢が出てくる。そのチームを買ってくれる企業が出てくるかもしれんけど、昭和時代の頭カチカチのプロ野球界に嫌気がさすことも十分に考えられる。そうなれば、球団数も減り、2リーグ制を維持できなくなる。1リーグ制になれば日本シリーズなんて必要ないし、人気も低下していくだろう。

日本でのFA制度は一握りの選手、一流の選手に与えらえた特権みてぇなもので、その特権で自分を高く売り込める。当然、それを買える球団は限られている。正直、日本人にはなじまない制度だろうねぇ。

このFAで選手を獲得するチームと言えば、もう「巨人」が代名詞になっている。その次に多いのがソフトバンクと阪神。セパの人気球団だよな。そして金もある。まぁここでFAの流出と獲得のランキングを確認してみる。

まず流失が多いのは西武で18人、次に多いのが日ハム、オリックス、ソフトバンクとパリーグのチームが続く。カープは多い印象はあるけど9人でセリーグではDeNAや中日と同じで、平均的なんだよな。パリーグの選手がセリーグに移籍する選手の数は64名中31名で約48%。ちなみに巨人に移籍したのが13名で割合からすれば20%。5人に一人はパリーグから巨人に移籍している。そのままパリーグのチームに移籍したのが33名。ちなみにパリーグのチームから一番金持ちのソフトバンクに移籍しているのが9名で27%。阪神に移籍したのも9名。金満球団とされる3チームで約半数のパリーグFA選手を獲得している。

セリーグの選手の移籍先はパリーグへ移籍したのは53名中10名。18.8%ここがパリーグと全然違うよな。そして移籍先が一番多いのが巨人で13名。次に多いのがDeNAで6名。残りは二人、ないしは3人でカープがゼロ(笑)。セリーグからセリーグ移籍で巨人に入る確率が30%。この数字を見てもいかに巨人が同一リーグからFA選手を獲得しているかがよくわかる。

巨人が丸を獲得した時に露骨に言っていたのが3連覇しているカープの力を削ぐということ。まぁ戦略として決して悪くないとは思う。

西武の黄金時代を支えた選手たちがFAで次々と当時のダイエー(現ソフトバンク)に移籍した。これもある意味、西武の戦力を削ぐという根本さん流のやり方だったんだろう。決してこういう考えは今に始まったことではないよな。

ただ、巨人の場合はFAで獲得した選手で十分にレギュラー張ったり、ローテーション投手、ブルペンの方程式に入った選手がどれだけいるかというとクエスチョンマークがついて回る。最近獲得した選手で規定打席に達しているのが丸くらい。10年さかのぼっても出てくるのは村田修一さんくらい。投手は山口俊が移籍3年目でようやく年俸通りの活躍をし、あとは杉内が移籍して3年位はよかったけど、後は使い物にならないというよりは出場機会すら恵まれていない。これはやはり「戦力の囲い込み」という他ないだろうねぇ。

ソフトバンクは以前はFA選手を獲得しているけど、日シリ3連覇中はFA選手を獲得していない。最後が2013年だからもう6年FA選手を取っていない。恐らくこのあたりから「育成」にシフトしたんだろうねぇ。

ソフトバンクの選手を見てみれば千賀や甲斐、牧原といった選手は育成契約から這い上がってきた。カープとの争奪戦になった内川、松田といったベテラン勢、そして助っ人のデスパイネとグラシアルが一発攻勢を担う。投手は真っすぐがいい投手が並び、ウィークポイントはしっかり助っ人がその役割を担っている。非常に戦力が整ってバランスがいい。若手が出てくる余地も十分にある。

特に助っ人はデスパイネ、そして今はいないけどサファテあたりは日本球界に順応した選手を獲得している。どこの馬の骨かわからんのに大金つぎ込むよりもスマートな金の使い方だよな。

金の使い方で言えば、ソフトバンクのファームの施設の充実度というのは素晴らしいと聞く。この辺への投資というのが千賀や甲斐といった選手の力を引き出してきたんだろう。こうしたリーグを引っ張るチームの「金の使い方」を見てもセリーグというのは時代遅れだなぁとつくづく思うんだよな。

巨人のファーム施設もある程度の水準にはあるだろう。でも、ちょっとでも1軍に出れば、年俸はすごく上がるし、これは巨人だけだろう。すぐに天狗になり、野球以外のことをやり始める。色々な不祥事が巨人の若手から出てきたのも、うなずけるんだよね。あとはやはり他球団から選手を乱獲する金の使い方。ちょっともう、時代遅れのような気がする。それに巨人は気づいていない。球界の盟主の本当の意味をはき違えているのかもしれない。

これから球界を引っ張っていく球団というのは、「金」だけじゃない。「金」の「使い方」が問われるだろう。巨人が育成に真剣に取り組めば、そら強いチームになるだろう。

ちなみに巨人は石井琢朗前ヤクルト打撃コーチを招聘することとなった。少なからずカープファンもがっかりしただろう。でも琢朗さんの手腕というのは「カープ」だから発揮できたといってもいいだろう。

ヤクルト移籍後もかなりバットを振らせたみたいだけど、結局ヤクルト打線を支えたのは山田、青木、雄平、バレンティン。そこに村上が入ってきただけ。全体の底上げというのは感じられなかった。時間も2年ではなかなか難しかったろう。

琢朗さんはカープに現役、コーチで8年在籍し、カープという球団を非常に理解していた。打撃コーチに就任してから結果が出始めた。そこには琢朗さんが選手一人ひとりをしっかり把握できたこれまでの時間というのが大きいだろう。そして、何よりもカープの選手が純粋に「上手くなりたい」という気持ちをもって琢朗さんと向き合った結果なんだと思う。

琢朗さんのこれまでのやり方は巨人に合わない。もしかしたら原監督とは全く違う考えかもしれん。そして、打撃コーチに教えを請うという文化カープに比べて希薄だろう。そういう環境で琢朗さんも苦労するだろう。まぁ頭のいい人だし何か考えはあるんだろうけどな。

なので巨人は選手だけではなく指導者もあっちこっちから引っ張ってくる印象がある。それとFAで移籍した選手にはコーチ手形がもれなくついてくるんだろう。どんだけコーチいるんだよ?って感じだよな。あれだけコーチがいるのに選手を育てる環境にないということは、そらコーチも張り合いねぇよな。

今季の巨人は優勝したけど「強さ」は感じられなかった。さすが原監督と思わせるシーンは何度もあったけど、ある意味、セリーグの他の球団のレベルの低さに助けられた部分が大きいだろう。

カープは結局、丸の後釜探しで前半迷走し、後半はブルペンの不安定さで取れる試合を落としてきた。DeNAも巨人との直接対決、大事な勝負所で勝てなかった。ある意味、消去法で巨人が優勝した印象だよな。

パリーグは本当に苦しい戦いの中、西武が勝ち抜いたもののまたもやCSでソフトバンクに一つも勝てずに終わった。ソフトバンクは短期決戦の勝ち方を熟知しているんだろう。選手起用を見ているとペナントとは全く違う選手起用をする。先発が7回までとか、起用する投手の順番とか、そういうシーズン中の概念を全部吹っ飛ばしている感じだよな。

まぁそのベンチの思惑に対し、選手がきちんと答えを出してくれる。巨人もラッキーボーイはいないかと、若手の起用も積極的だったけど、残念ながら出てこなかった。なので、傍から見ると原監督の起用法に疑問を持つファンもいるだろうねぇ。

結局、巨人はセリーグの中で優勝することに専念するようになっちまった。球界の盟主と言われた時代に比べれば、スケールが小さくなったよな。

セリーグで優勝するために、有力選手を集め、力でねじ伏せる。確かに昭和、平成の前半の巨人はそれでよかったんだろう。

でも、その乱獲の副作用として、セリーグの有力選手を囲む形になり、他球団の戦力がダウンしてしまった。ドラフトでもいい選手を積極的に獲りにいくパリーグに対し、あまり冒険せずに一本釣りを狙った無難な指名が多かった。スケールの大きい選手がパリーグに集まったというのもセパの差を広げた要因だろうねぇ。

巨人は「育成」という頭がない。現在の原監督はもちろん、長嶋監督もそういう概念はなかった。若手を鍛え、育てるよりもいい選手は勝手に出てくるという印象。だから足りない部分はよそから引っ張ってくるのは「当たり前」だった。

巨人ファンもプロだから他球団から高額で引っ張てくることに抵抗ない人も多い。悔しかったら、広島もやればいいと言われる。悔しいけど、それも「プロ」の考え方。アタクシは否定はせんよ。

でも、そこまでやったら巨人は勝たんといかん。これだけやって勝たんと、どんどん巨人はハードルを自ら下げてくる。球界の盟主から、セリーグで優勝できればいい球団になってしまった。優勝するためにはライバルの主力を引き抜くのが一番効果がある。そういう考え方をやるようにまで成り下がってしまったのか!?と。

それでも巨人は今オフも補強に余念がないようだ。この「金の使い方」ね、ソフトバンクとの差になっているような気がしてならんのよ。

ソフトバンクもFA流失を防ぐために、柳田や松田などの主力にはFA権を持つ前に複数年契約を結ぶ。これは妨害ではなく、球団の誠意だと思うわけよ。巨人も基本FAの選手には大枚をはたく。

でも、ソフトバンクは意味のない選手は獲らんし、金の使い方はあくまでもソフトバンクが強くあり続けるために使う。育成選手をたくさん獲るのもその表れだよな。設備投資も惜しまない。やっていることは非常に素晴らしい。だから勝てるチームを継続して行けるんだろう。結局はこの10年でセパの差は両リーグをけん引してきた巨人とソフトバンクの野球に対する熱意と金の使い方の差のような気がするんだよな。

なので、カープだってV奪回するのもそれほど難しくないと思う。でも巨人がそのカープにあっさりVを明け渡すようなチームじゃダメなのよ。巨人は強くなきゃダメなのよ。

カープはここ数年巨人に勝ち越しているけど、昔ほどこみ上げてくるものがないのも、巨人が昔に比べれば小粒になったし、やはり球界の盟主という自負を持ち合わせなくなったからなんだと思う。そういう意味では巨人が頑張って強くなり、それを5球団が追いつけ追い越せと切磋琢磨する環境に少しでも早く戻ることがセパの差を縮める方法だろう。

なんやかんや言って巨人が強いなと思う時代は、生え抜きの選手が中心だった。古くは王、長嶋、柴田、高田、末次、そこに張本さんが加わったり、江川、槇原、桑田、斎藤、上原といった生え抜きがエースを張り、そこに必ずチーム内にライバルがいた。松井という強力な4番がいたからこそ、その前後にFAで来た選手が生きる。巨人はそういうチームでなきゃいかんと思う。

DH導入は大いに結構だけど、巨人原監督があたかもそのせいみたいなことを言っているけどな、大事なことは巨人が誇りある球界の盟主という地位を野球でも選手編成でもしっかりやってセリーグを引っ張ることなんだと思う。

そういう巨人をカープが倒す。早くそんなセリーグを取り戻してほしいもんよ。

にほんブログ村・ブログランキング参加中!ポチッとお願いします!
にほんブログ村 野球ブログ 広島東洋カープへ
このエントリーをはてなブックマークに追加