Source: 野村でも大瀬良でも流れ変えられず…早目の継投が裏目に/デイリースポーツ online②を書いてからだいぶたちますな(苦笑)。どうやらアタクシの方も取り掛かっていた仕事がようやく一段落。これからペースを上げていこうかと思ってますよ。(気持ちはね)
CSファイナルで目立ったのが怒涛の継投策。一人一殺の場面でベイスターズブルペン陣がラミレス監督の期待に見事に応えた。素晴らしかったよな。この迫力にカープは完全に受け身にまわっちまったよな。敗因の一つであることは間違いねぇよな。
特筆すべきは起用された投手が見事に仕事をやってのけたこと。3,4年前のベイスターズの中継ぎ陣と言えば肝心な時にバッテリーエラーやストライクが入らないなんてが多かった。いい試合をしてもその部分の差で下位に低迷していたのはそんな昔の事じゃねぇよな。この投手陣の成長の源ってのは何なのか?もちろん先発の今永や濱口はドラフト1位で取った選手。抑えの山崎もそうだけどな、左の田中や育成出身の砂田あたりも堂々たるピッチングを披露してくれた。残念ながら彼らのようなたくましさをカープのブルペン陣に感じることができただろか?カープ首脳陣の目にはラミレス監督の怒涛の継投策に何を思い、何を見たのか?
カープ投手陣の悩みの種は「左腕不足」。先発でもジョンソンがいるだけだしな、リリーフ陣を見ても残念ながら使える投手がほとんどいない。これは今に始まったことではないし、長年の課題でもある。それでも連覇するんだから細かいこと言うなよって声も聞こえてきそうだけどね、「日本一」の称号を手にするには長年塩漬けにしてきた問題を解決するってのは避けて通れない道だと思うんだよな。
しかしながらドラフトで即戦力の左腕を獲得しなかった。以前にも書いたけどCSの敗戦を受けてカープの問題点というのが浮き彫りになった。確かに地元のスターを取ることは悪いことではないんだけどな、ドラフトの指名の顔ぶれをみれば、カープの編成がCSの敗戦を「たまたま自分たちの野球ができなかった」で片づけしまっているようにも受け取れる。本当にそれでいいのだろうか?
カープの場合はこと補強の話になると決まって返ってくるのが「現有戦力の底上げ」情報によるとオスカルが横から投げる練習を始めたらしいよな。確かに球筋はいいんだけど左打者が嫌がるかと言えばそうでもねぇし、何かひとつひねりが欲しい投手だったよな。自分の生きる道を模索してのフォーム変更。大いに結構だよな。現役時代同じようなタイプだった畝コーチがいっちょ前の変則左腕に育ててられるのかお手並み拝見といきたいよな。
若手の高橋昂也、樹也、床田の復活、中村恭、塹江、戸田の成長に期待という声も聞こえるけどな、そのほとんどがオーバースローの投手。昂也はスケールの大きい先発に育てたいという思いがあるんだろうけど、残念ながら球速も皆同じくらい。三振を取りたいときにとれるほどのものでもない。変化球もみんな似たり寄ったり。床田はいいカーブを持っているけどもう一つ変化球が欲しいしな、そこそこなんだけど何かがみんな足りない。殻を破る何かが欲しいんだよな。
その解決策として実績のある左投手を引っ張ってくること。それがドラフトであったりトライアウトでも実績のある左投手は何人かいたよな。それを現有戦力の底上げの為に強烈なスパイスを放り込むってのも一つの方法のようなが気がする。その辺すらやらんといのは、個人的には現状で満足している部分が少なからずあるんだろうねぇ。編成は。
今シーズンのカープのブルペン陣を見ても同じようなタイプが多かったよな。真っすぐはそこそこ早い。チェンジアップとスライダーを組み合わせた投球スタイル。抜群にコントロールがいいわけでもない。そしてハートの部分では少しひ弱さを感じる。抑えの中崎は金将クラス。途中調子を崩したけどジャクソンも8回を任せられた。けど後のブルペン陣にこれといった特徴がない。何かが足りない似たタイプが多い。
将棋の銀将というのは前に進むことはできる。斜め前も。しかし横には動かせない。動かせるとしたら斜め後ろ。どちらかという中盤を「守る」役割の強い駒。これまで書いてきたように「攻め」の継投策を演じるのであれば突拍子な動きをする桂馬だったり、直球一直線の香車があってもいい。カープのブルペン陣にはなぜか「銀将」ばかり。バラエティに欠けるんだよな。
例えばカープ投手陣は筒香に相当打たれている。ベイスターズ戦に負け越した要因の一つでもあるよな。ここに一人「筒香殺し」がいるだけでだいぶ違うと思うわけよ。ロペスや宮崎と言った右の強打者に代打は出ねぇんだから、そこにぶつける右のサイドスローや変則フォーム、かつての林のようなお化けスライダーを投げる投手とかね、「銀将」以外の駒を持っていたならば結果は変わっていたかもしれんよな。
同じ駒ばかりだから使う場面もどうしてもワンパターンになる。カープの継投策の基本線は6回以降は一人1イニングを任せる形。残念ながらこれしかない。メンバー編成からして、これしかできなかったということだよな。各イニングをしっかり押さえて中崎につなぐ形。もちろん人間のやることだからその日の調子であったり、登板過多で球がいかない日もある。責任の1イニングを全うできずにマウンドを降りても上がってくるのはまた同じタイプの投手。そしてバトンを受け継いだ投手も基本次のイニングの予定だったりするとモチベーションも違うし戸惑いもある。いい結果がでないよな。
中田廉が火消し役を見事に果たした場面もあったけど、それ専用で準備しているわけでもない。やはり1イニングをしっかり押さえる準備をしているはずだしな、一言で言えば「融通の利く」投手がいないんだよな。
ロングリリーフのできる九里はあるいみ「融通の利く」投手。非常に貴重な存在だよな。でも残念ながら出番は先発が早々に崩れた時だけ。これはこれである意味モチベーションを維持するのは難しいよな。
しかしここで求めているのは、中盤から終盤にかけてポイントになる打者にぶつけていける駒。常にその準備をして出番を待つ駒。カープにはこういう投手が左右1枚ずつ欲しい。例えば中軸に左が続く打線に投げる投手。逆に右が続くときに投げる投手。ピンチの場面で相手の代打に左右によって投げる投手。一人一殺、仕事人のような投手が欲しい。相手を唸らせる、困らせる駒が絶対必要なのよ。特に一点差の場面や短期決戦でのこうした駒の存在感というのは相手にとって代打を誰にするのか?ここでアイツを出されると困るからとカードを切れなくする効果もある。あまりにもカープのブルペン陣は金太郎飴みてぇに同じ感じ。左の刺客がいねぇんだから代打の組み立てやカープ戦には左打者を多くそろえることもできる。その辺の弱みをCSではラミレス監督に見事に突かれた格好だったよな。
じゃ、なぜカープはリーグ優勝できたのか?答えは簡単。打線が打って点を取ってくれたから。大体中盤位で負けていてもひっくり返してくれる打線。12球団一の打線。後にも先にもこれしかねぇだろうねぇ。だから3,4点差で継投に入れた。この点差で継投に入れば一人イニングを任せる形で逃げ切れるんだよな。
しかしながら1点差ゲームに関しては残念ながら脆さも見せた。土壇場で追いつかれたり、延長戦になると分が悪くなる場面も見受けられた。本当に強りチームは1点差で勝つ試合に強いチーム。ただ今年のカープはそれをひっくり返す力があったチームなんだよな。その象徴が4番に座った誠也であり、大ブレークした安部であり、初打席ホームランのバティスタであったりなんだよな。誠也は安部がCSに出れなかった、ベストな状態でなかったのが敗因かもしれん、今年に限っては。
でも打つだけが流れを変える方法ではないよな。現にベイスターズが流れを離さなかったのは怒涛の継投策にカープが圧倒されたからであって、ボカスカ打ったわけじゃねぇよな。残念ながら銀将だらけのカープ投手陣では劣勢の流れを変える駒がいなかった。これも敗因だと思うんだよな。
せっかくリーグ優勝しても日本一になるには短期決戦を戦い抜ける力も必要。カープとカープファンは思い知ったことだろうねぇ。
だから日本一になるためには短期決戦で勝てる駒をそろえることも重要な要素。それは編成の仕事なんだよな。だからなおさらドラフトは残念な結果だったし、補強にも動く気配もない。左の助っ人でいいのがいたら位にしか思っていないんだとすれば、残念ながら年を追うごとに「日本一」から遠ざかっていくことも十分に考えられる。
確かに緒方監督は短期決戦を戦い抜く引出しは少ないのかもしれん。でも様々な引出しを創造するするにはバラエティに富んだ駒も必要。別にFA選手を取れとは言わんけど、「補強」も必要な時もある。ぜひご検討していただきたいですな。
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