情報源:デイリースポーツオンライン 広島・森下 投げて打って大車輪 8回1失点&決勝2点タイムリー 5連勝堅首で今季最多「貯金10」
「広島4-1中日」(3日、マツダスタジアム)真夏の森下劇場が開演じゃ~!!広島の森下暢仁投手(26)が投げては8回7安打1失点の力投で8勝目。打っては決勝の勝ち越し2点適時打を放ち、投打の主役を演じきった。これでチームは今季2度目の5連勝で首位をキープ。貯金も今季最多の「10」に到達し、破竹の勢いが止まらない。
オールスターが終わってからセ・リーグの上位チームは連勝・連敗とくっきり明暗が分かれてきたよな。阪神が8連勝、カープは目下5連勝中。巨人は阪神に3タテ食らったのを含めて4連敗。DeNAも9連敗だ。阪神の連勝、巨人・DeNA連敗がそれぞれ昨日ストップした。どうだろう??個人的な見立てではここから熾烈な8月戦線が始まるような気がする。カープとしてはライバルチームがバタバタしているうちに貯金を着実に増やしていきたいよな。
森下二刀流の活躍も光るバックの守備
先発の森下は立ち上がりから結構ヒットを打たれていたよな。まぁ森下の立ち上がりというか1~3回くらいまでは今季はこんな投球が多いように思うねぇ。ただ四球を出さないので打たれていてもホームを踏ませない。この日も困ったところでのチェンジアップやカットボールが非常にいいところに決まっていた。それとやはりバックの守備ね、これにも助けられたよな。バックが守ってくれている間に森下も本来の調子を取り戻してくれて中盤以降は危なげなくペースを相手に渡さなかった。この辺は「さすが」だよな。終わってみれば8回を投げ切って守護神・栗林に直接つないでくれたのも大きかった。ブルペンもベンチも大助かりだよな。この辺の投球を見ると森下も「エース」への階段を着実に上ってきてくれている。今季はいくつ勝てるかわからんけど、最多勝争いに絡んでくるとまたグレードが上がりそう。今後の投球にも注目だよな。
この日も8番に入って攻撃でも魅せてくれた。同点になってなおも2,3塁の場面、中日のバックホーム態勢をあざ笑うかのように叩きつけた打球はセンターへ。見事なタイムリーで自身を助ける形になった。これで打率は3割をキープ。この「8番森下」は今後も続くだろうし、今後もどんな得点シーンが見られるか楽しみだよな。
ベンチの新井監督もこの森下の打席に「期待していた」と言っていたし、森下自身も野球をよく知っているというかね、「こうすればこうなる」と読んで打席に入っているよな。三振は絶対にダメ。転がせば何とかなると。その辺の冷静さも「8番森下」を機能させているように思うねぇ。
カープ先発陣は打撃もいいしな、今後もたくさんの投手が8番に座るシーンが増えるかもしれんよな。
守備力で中日・大野にプレッシャー
このゲーム序盤は両チームとも走者は出すけど、いい打球が野手の正面を突いてゲッツーという場面が結構見られたよな。カープは2回、3回といい打球を打ちながらもゲッツー。中日も3回に連打でチャンスを作り先制。なおも1死1,2塁でつながれるとビッグイニングの匂いもしてきたけど、カリステの打球を菊池が好捕。ゲッツーが成立した。このプレーは一つのターニングポイントになったように思うねぇ。中日先発の大野雄はこの回、無死1塁から送りバントを失敗している。その後連打で1点を先制してくれたものの結局はこの1点どまり。自分がバントを決めていれば…という後悔がどんどんプレッシャーに変化していったように感じたねぇ。まぁこれは後に書くとして、菊池や矢野が攻めの守備をすればするほど、相手投手は「なかなか点が取れない」印象を持ち「これからは0に抑えないと勝てない」というプレッシャーに変わっていく。カープの「守備力」は今季、相手投手の心理に大きな影響を与えているように思うし、「守り勝ち」が多いのもそういった流れを「守備」で作っているからなんだろうねぇ。これは他チームには真似ができないまさに「広島野球」と言っていいだろう。
5回の逆転劇はまさに「広島野球」
守備力で中日・大野雄にプレッシャーをかけ続けたカープは5回に見事な逆転シーンを見せてくれた。振り返ってみよう。先頭の坂倉がヒットで出塁。坂倉はオールスターで一発出て状態が上向いてきたよな。その坂倉を1塁において打席には菊池。ようやく打撃が上向いてきたよな。このシーン、中日ベンチ、バッテリーはカープが何をやってくるのか??かなり警戒をしていたように見えた。無死1塁で走者が坂倉ならスチールはないだろう。ただ、打者が菊池なので何でもやろうと思えばできる。まぁ通常はこういった場面で相手がどんな攻撃をしてくるのかを「牽制球」で探りを入れてくる。牽制球を投げた時点で走者や打者がどんな動きをするかで、相手の攻撃を読むんだけど、この辺は両軍ベンチの「探り合い」でもある。この場面で大野雄は3球牽制を入れている。この辺はベンチもバッテリーも「何をやってくるのか??」探り切れなかったのだろう。大野雄の顔は汗でびしょ濡れ。かなりプレッシャーがかかっていたのが伺えた。結局は大きな動きはなく、カウント2-2からショートへの内野安打で菊池につながれてしまった。大野雄も「あんなに警戒したのに…」とガックリだったよな。そのガックリしたところを見透かしたかどうかはわからんけど、続く矢野が今度は初球からセーフティバント。逆にこの場面は中日バッテリーの警戒心が緩んでいたようにも見えた。3塁線への小フライもボトリとフェアゾーンに落ちた。これを大野が拾い1塁送球もこれが悪送球。まぁ2塁走者がいてのバントだから、基本は間に合わないと判断したら送球してはいかん場面だけど、この辺は大野雄に「焦り」もあったのだろう。森下を崩せそうで崩せず、カープの「守備力」で阻まれたシーンの積み重ねがこの焦りを生んだような気がするねぇ。この辺に今季の新井カープの「守り勝ち」が垣間見られるよな。続く森下は前にも書いたようにバックホーム態勢の中日内野陣の頭上を「ゴロ」で抜けていった。この点の取られ方も「ガックリ」きただろう。相手が嫌がる野球、点の取り方はまさに「広島野球」。この日もさく裂したよな。
始まった8月の戦い
ゲームは7回にも矢野の3塁打をきっかけに秋山のタイムリー。この辺は下位打線がチャンスを作り1番秋山が返すという、攻撃の理想形の一つを見事に披露してくれた。1か月前の7月上旬は打てずに連敗したけど、この辺もかなり改善されてきているし、「チーム」としての形ができている印象だよな。
チームの形が完成されつつある中で頑張ってほしいのが「若手」。シャイナーがまた故障したようでファームで打ちまくっていた林が昇格。調子のいいうちにぜひ使ってほしい選手だよな。二俣もベンチを温めるシーンが増えてきているように思う。まぁそれはスタメンが固まってきている証拠でもあるし、その中に若手が食い込んでくるとますますチームとして盛り上がってくるだろう。
投手陣もこのカードの初戦は栗林・島内を使わずに逃げ切った。この辺も勝ちパ以外の中継ぎ陣が力をつけ、どんな形でもフィットするようになってきた。大きいよな。先発陣もしっかりローテを守ってくれている中、アドゥワやハッチといった投手も「ロングリリーフ」要因としてベンチに入るケースも増えてくるだろう。かなり「戦力」が固まり、整いつつあるよな。個人的には非常にいいタイミングだと思っている。
前にも書いたように上位チームが大きな連勝、ライバルチームが連敗で脱落と激しい動きになっているけど、これも昨日の結果で落ち着くはず。上位チームで懸念されるのは阪神がロードに出ていること。昨季はこのロードを大きく勝ち越して優勝につながった。阪神・岡田監督もこの辺の戦い方は十分わかっているはず。そしてあれだけ打てなかった打線がつながってきたのも大きい。そろそろ本気出してきた、そんな感じだよな。今のところロードに出て1勝1敗。結構今日のゲームは大事になってくるだろうねぇ。DeNAも連敗が止まって巻き返しが期待される。注目だよな。
カープは来週のロードがカギになってくるだろう。東京ドームで巨人と3連戦。アタクシは7日に生観戦予定だ。その後大阪に移って阪神と3連戦。ここをどうやって「切り抜ける」か??ポイントになる6連戦だろうねぇ。
今季カープは東京ドームで分が悪い。この通りになって一つも勝てないとなると次の阪神戦で飲み込まれる可能性は十分あるだろう。東京ドームでの3連戦が8月の最初のヤマだろうねぇ。ここを勝ち越せば、阪神3連戦は3つ負けてもどうってことない。仮に今日もカープが勝てば貯金が11。来週2勝4敗でも貯金が9。こういう感じで「切り抜けられる」と優勝にも1歩近づくだろう。
最大の連勝が今の5ということを考えれば、今の貯金10というのは大きな連敗をせずにコツコツと積み上げてきたもの。この貯金10個を有効に生かして常に優位な状態で戦えれば優勝も近づいてくるだろう。いずれにしても苦しい夏場の戦いは始まったばかり。新井監督が言うように目の前の戦いをしっかり戦っていくしかないんだけど、貯金10は自信にしていいと思うし、またこれから一つ一つ一進一退でも積み重ねていけばいい。もちろん追い上げられるプレッシャーも出てくるだろうし、それにつぶされそうになることもあるだろう。まだまだ正念場は先。これからもカープらしく「守り勝って」勝負の9月に入ってほしいよな。
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