情報源:【広島】床田寛樹、昨季の自己最多に並ぶ11勝目「全部勝ちたい」ひざに打球直撃も痛み耐え奮闘
<中日1-2広島>◇28日◇バンテリンドーム広島床田寛樹投手(29)が痛みをこらえて8回途中まで1失点に抑え、チームの連敗を止めた。
2回に先制ソロを浴びるも、その後は踏ん張った。6回1死一、三塁は4番川越を二併殺。8回は1死一塁でこの日2安打されていた岡林を迎えたところで降板も、救援のハーンが1死一、三塁を無失点で切り抜けた。
勝負の9月を目前に控えたバンテリンドームでの中日3連戦。ここでやられるようだと9月戦線に暗雲が立ち込めそうな、イヤ感じの3連戦初戦だったけど、2戦目は「カープらしさ」が出て2-1で勝利。バンテリンでの連敗、チームの連敗を床田の好投、坂倉のタイムリーで見事に逆転勝利。この勝利は結構大きいと思う。台風が近づく中、今日3戦目の勝敗は結構大きな意味を持ちそうだよな。
床田「当たっても」「転んでも」勝ちたい気持ちが生んだ熱投!!
このゲームの先発は10勝到達から1か月近く勝ち星のない床田。相手は小笠原。左腕の好投手同士の投げ合いになった。無難な立ち上がりをみせたのは小笠原。3回までパーフェクトピッチだった。
対する床田。初回先頭の岡林の打球が左ひざを直撃。当たった瞬間は「ヤバイ」と思ったけど、当たり所が良かったのだろう。それほど痛みもなく投球を続けた。まぁこれで目が覚めたわけではないだろうけど、8回途中までカリステの一発のみでゲームをしっかり作ってくれた。6回のピンチも併殺で仕留めた。
この日も床田らしくテンポのいい投球を披露してくれたわけだけど、非常に気持ちが乗っていたように見えた。自身の調子云々よりも「勝ちたい」という気持ちが体を動かしていたように見えた。もちろん10勝到達してから1か月近く勝っていないというのもあるけど、一番大きいのは「優勝争い」の中で投げているということ。これは床田自身初めてのことだと思うし、この緊張感が増してくる中で自分がどれだけできるのか??床田の中で「挑戦」があったように見えた。8回途中でハーンにマウンドを譲る形になったけど久々の白星で11勝目。自己最多に並ぶ勝ち星だ。
昨季は10勝してからなかなか勝てなかった。勝負の9月にことごとく阪神にやられた。ローテがズレていればもっと勝てたのかもしれないけど、床田自身が9月にもっと阪神戦で勝てていればという悔しさと反省はずっと持っていただろう。その悔しさを胸に床田は激しい首位争いの中、マウンドに上がってくれたのだと思う。打球が当たっても走塁で転んでも床田らしさを前面に出したナイスピッチングだったよな。これから大きな期待が持てる11勝目だったように思うねぇ。
ハーン&好守備で見事な火消し!!
床田が早いテンポで中日打線を抑えて8回にもマウンドに向かった。球数も少なかったし直接栗林につなぐか、床田1人で投げぬくかといった形になるかに見えた。しかしその8回に試練が来た。1死後小笠原の代打・福永にヒットを浴びた。ここでこの日床田から2安打打っている岡林の登場。ここで新井監督はスパッと床田を諦めてハーンを起用。このイニング前には想像しなかった継投策に舵を切った。
続く岡林の打球は緩い当たりの遊ゴロ。矢野がさばいて送球するも送球が逸れた上にファースト堂林も送球をお手玉。これで1死1,3塁の大ピンチとなった。矢野も精いっぱいのプレーだけど、1塁に送球してもセーフっぽかったし、それであれば送球せずに走者をけん制するという考え方もあるんだろう。あるんだろうけど、菊池もそうだけど、可能性があるなら送球するという考え方がカープの内野守備向上の一つであることも間違いない。まぁしいて言えば堂林も足が離れてもいいからしっかり捕球していれば、3塁進塁は防げただろう。それで精いっぱいのプレー、仕方ないよな。
堂林はここから好プレーで取り返す。1死1,3塁で打者はなんでもできる山本泰。この場面で立浪監督が何もやってこないわけない(笑)。これはカープベンチも読んでいただろう。中日ベンチが仕掛けてきたのはセーフティスクイズ。打球が転がったのを見て3塁走者がスタート切るわけだけど、1塁方向に転がった打球を堂林が猛チャージで捕球、すぐさまホームへ送球し3塁走者を封殺した。堂林が直前のプレーを取り返す勇気あるプレーで失点を防いだ。素晴らしいよな。
他所のチームのことをとやかく言うことはしないけど、これ、普通にスクイズされたらホームは間に合わなかっただろう。個人的にはハーンが左投手で3塁に背を向けているので、セーフティスクイズよりもむしろ足が上がった時点で走者をスタートさせる普通のスクイズの方がハーンはイヤだったろうし、タイミングを考えればそっちの方がよかったんじゃないなぁと。まぁ結果論だけどある意味、中日ベンチの策に助けられた面はあったけど、見事な防御だったよな。
中村奨バスターエンドランを決めて少しずつ1軍の戦力に
さて攻撃の方だけど、中日先発小笠原の前にカープ打線は序盤は完全に抑えられた。打順2巡目となる4回に秋山がセンター前。これでカープ打線が目覚めた感じだよな。秋山は1番として本当にいい働きをしてくれている。来期以降もカープで頑張ってほしいよな。
カープベンチとしては得点圏に走者を置いてまず狙うは「同点」。2番に入った中村奨もバントの構えを見せていた。初球ボールを見逃した2球目にカープベンチはサインを切り替えバスターエンドランが見事に成功した。個人的には中村奨にとって大きなプレーになるかなぁと手を叩いた。
中村奨はカープファンなら誰でも知っているスキャンダルで球団にお灸をすえられた。背番号も重くなり、周囲からの視線も痛かっただろう。そんな中で野球に集中し自力で何度も1軍切符を手にしてきた。アタクシはこの頑張りは素直に評価している。ただ、やはりまだどこか「よそ者」感というかねぇ??もちろんカープの一員ではあるけど、なり切れていない雰囲気がどことなくあったような気がする。それはゲームに出たりなかったりってのもあるんだけど、これまではただ単に打つ、守る、走るといったプレーが主でベンチの作戦に応えたという実績が乏しく、そこが一員になりきれていない要因なのかなぁと。そんな風に思っていた中で、このゲームで見事にベンチのサインに対して「結果」を出した。そしてこのバスターエンドランが坂倉のタイムリーを呼びこんだといっていいだろうし、ヒットで出た自身が勝ち越しの走者としてホームインした。まさに「勝利に貢献」したといっていいだろう。アタクシは中村奨にとってこれは非常に大きいんじゃないかなぁと感じている。
カープと首位争いを演じている巨人は高卒ドラフト1位の浅野が非常にいい活躍をしている。高卒ドラフト1位の先輩でもある中村奨にだって浅野のような活躍ができれば、それはそれでチームにとって非常に大きな存在になるだろう。2番や下位起用が多い中村奨だけど、これをきっかけに打ちまくるようなことがあるとカープにとっては大きいし、期待しながら見守って生きたと思っているよ。
いろんな意味で「戦える勇気」が湧いた1勝
苦手なバンテリンドームでこのゲームも負けると非常にイヤ~なムードになる可能性もあったけど、床田の熱投がそんな不安を吹き飛ばしてくれたし、初戦硬さの目だった野手陣も思い切ってプレーしてくれた。堂林の猛チャージには必死さが伝わってきたし、矢野も元気でプレーしてくれていた。坂倉も4安打と固め打ち、末包にも長打が出た。個人的にはこの1勝というのは9月戦線に向けて様々な不安が取り除けたと思っている。こうなれば、今日勝って苦手バンテリンで「勝ち越し」という実績を残して9月に入りたいよな。
今日の先発はリフレッシュして再登録の九里。対するは松葉。苦手な投手ではあるけど、末包の復帰や中村奨の打撃にも期待がかかる。何とか攻略していきたいよな。
CS争いでは3位阪神が4位DeNAに連敗して1.5差に縮まった。DeNAも筒香が復帰して打線に厚みが出てきたし、9月にグッと上がってきそうな予感もある。阪神も粘りたいだろうし、再び4チームのAクラス争いに構図になってきそうだよな。
カープは首位にいるわけで、目の前の1戦1戦で自分たちのこれまでやってきた野球をやっていけばいい。このゲームもそういった戦い方を見せて結果を出してくれた。下を見ずに前進していけばいい。色々な意味でこのゲームは大きな1勝だったよな。
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