情報源:デイリースポーツオンライン 広島が単独首位浮上!打線爆発で「高橋の呪縛」解き放った 菊池&矢野の連弾などで七回に一挙5点 矢野「ナイスパワー」「広島7-0ヤクルト」(31日、マツダスタジアム)
2位・広島が大勝でヤクルトに対して開幕から本拠地8連勝。巨人が敗れたため単独首位に浮上した。先発・大瀬良が7回1安打無失点で6勝目。四回の先制劇で着火し、七回に菊池、矢野の一発などで爆発した。
打線は0-0の四回に末包、矢野の適時打で2点を先制した。その後、七回に菊池、矢野が2者連続弾を記録するなど、一挙5得点を奪って快勝へと導いた。
カープというのは本当に不思議なチームだなぁとつくづく思う。ついこの間まで話題になっていた「バンテリン苦手問題」。そしてこの日先発したヤクルト・高橋奎、中日・高橋宏、そして夏場から阪神が「対カープ戦用」として起用した故障明けの高橋遥と各球団に苦手投手がいる。何でも「対高橋」は6連敗中だとか(笑)。それでもカープはこの日快勝で首位を再び奪取した。8月最後のゲームは非常にいい形で締めくくれた。いよいよ「勝負の9月」。その前にいろんな意味で「収穫」があったように思うねぇ。
大瀬良8回1安打無失点の好投!!苦手な夏場を乗り切った!!
確かに7-0というスコアなんで野手陣が目立ったゲームだったけど、やはり先発・大瀬良の好投ね、このゲームはこれをなくしては語れないだろう。ナイスピッチングだったよな。
初回、先頭の長岡にいきなりヒットを打たれた。ちょっと立ち上がり不安かなぁと感じたけど、しっかり球数を使って丁寧に投げてくれたよな。終わってみれば初回の長岡のヒット1本だけ。いいタイミングで味方が先制点を取って中盤苦しくなるところで大量援護。好投を続けながらも勝ち星が伸びなかった大瀬良にとっては本当にいい援護点をもらって自分のペースでしっかり投げ込むことができたよな。打者のタイミングをうまく外して非常にフライアウトが多かった。大瀬良らしい投球だったよな。
開幕前、アタクシは大瀬良は手術の影響で出遅れると見ていた。術後の回復も順調で開幕ローテに入ってきた。それでもアタクシは年齢的な部分や昨季の投球内容から見て大瀬良は厳しいのではないか??そんな目で見ていた。これに関しては大瀬良投手に対して、大瀬良ファンに対してお詫びしたいと思う。今季の大瀬良の投球は本当に素晴らしいし、これまでの力任せから味のある、大人の投球を見せてくれている。今季だけじゃなくあと、3,4年は投げられそう、そんな姿を見せてくれた。一番感心したのは毎年崩れる夏場を乗り切ってこれたこと。入団以来、結構課題だったと思う。今季は大きく崩れることなく防御率1点台で8月を終えることができたわけで、これは大瀬良自身にとっても大きなことのように思う。さぁ夏場を乗り切った。勝負の9月、大瀬良への期待もどんどん膨らんでくるよな。頑張ってほしいよ。
中軸の積極性が高橋奎攻略につながった!?
さて、打線はヤクルト先発・高橋奎の前に初回から野間の2ベース一本に抑えられた。高橋奎って昨季まではカープは打っていた印象があるんだけど、今季はポンポーンと打者を追い込むことができるようなって投球の幅が広がった。以前はカウントを整えるのに一苦労といった印象がガラリと変わったよな。カープ打線のこの高橋奎の変貌ぶりに戸惑いを隠せない打者が多くいたように思う。
打順2巡目からこれはあくまでもアタクシの憶測だけど、カウントを取ってくる球に狙いを絞りだしたような気がしている。4回。先頭の小園が初球を2ベース。末包も1ストライクからの2球目をこれも2ベースだ。坂倉、菊池は追い込まれてしまい術中にはまって走者が釘付けになったけど、7番矢野がこれも1ストライクからの2球目を叩いて狭い三遊間を抜いていった。この矢野の2点目ね、これが非常に大きかったよな。1点は取ったものの無死2塁から追加点が取れなければ、やはり高橋奎はなかなか打てないという印象を残すところを矢野が2点目をもぎ取った。アタクシはこの2点目が7回のビッグイニングの着火剤になったように思うし、高橋奎攻略の糸口を見つけたように見えた。
もちろんヤクルトバッテリーだってプロ。当然カープの打者がカウントを取ってくるストライクを狙ってくる。まぁ狙ってもこれまでのカープ打線は仕留められないケースがほとんど(笑)だったんで、だから、これだけ得点が少ないわけだけど、ここに来て各打者がしっかり「仕留める」ことができたのは何気に大きいことだと思っているし、ヤクルトバッテリーも配球を変えざるを得なくなった。それが出たのが7回だったと思う。
菊池のHRはカウント3-1、矢野も3-1と「ボール先行」で苦しくなりストライクを取りに来たところを見事に仕留めた結果だよな。これまでカープ打線を封じ込めてきたストライク先行のパターンを崩されて高橋奎も戸惑いながらのマウンドだったと思うねぇ。
きっかけは4回の中軸の積極的な打撃。本来なら優勝争いの中、なかなかバットが出ない選手もでてきそうだけど、小園と末包は大丈夫。心強いばかりだよな。
失意の矢野が生き返った!!
この日はバンテリンでの失策が負けにつながった矢野が元気にプレーしてくれた。だいぶ立ち直ったようだ。よかったよな。自慢の守備のミスで負けたことに相当なショックがあったようで、たまりかねた菊池が食事に誘ってプロ野球選手としての心構えを説いたようだねえ。まぁ人間ってものは長くやっていればいるほどいろいろなことを経験して、いろいろなもの見えてくるもの。若いうちはそれができないし、見えない。できなくて当然なのよ。そして今、若い人がぶち当たる経験もしっかり済ませているから、気持ちもわかるし、考え方も身につく。菊池も若い時にはかなりエラーをしていたし、堂林もそう。色々な経験をして今があるわけで、矢野も菊池の言葉で前を向けるようになったのだろう。
その矢野は守備ではなく打撃でしっかり仕事をしてくれた。自身2年ぶりの一発もそうだけど、何度も言うけど4回の2点目のタイムリーね、あれがチームにもたらした効果というのは本当に大きかったと思うし、いい仕事をしてくれたよな。
ヒーローインタビューでは自身を「ナイスパワー」と茶化した。新井監督もHRでいい気になって打撃を崩すなとコメント。もちろんこれは野球をやっていた人ならわかるジョークであり、エールだ。非常にいいムードで8月を締めくくることができたよな。
難関「第一高橋」を突破!!こうして壁を次々突破していけば…!?
中日・高橋宏にやられたあたりから「カープに立ちはだかる3人の高橋」みてぇな記事がネットで踊っていた。まぁ同じ投手にやられるのはカープの専売特許だけど、逆に考えればコイツら(ゴメン)を攻略すればカープは優勝にグッと近づくという意味だよな。そういう意味では昨日の高橋奎を攻略したのは本当に大きいよな。まずは「第一高橋」突破だ。
カープが今の位置にいるというのは今季これまで苦しめられてきた苦手を克服してきたからという側面はあるんだと思う。中日相手はまだまだだけど、昨季やられた阪神の村上頌にはしっかり勝てるようになっているし、大竹にも土をつけた。DeNA・東からも勝っているし、何気にカープはこれまでの苦手をある程度、克服しているからこの位置にいるんだと思う。勝負の9月にこれまでやられている相手や投手をしっかり倒していくこと、これに集中すれば自ずと頂点に立てるような気がしている。それができると思わせてくれるような昨日のゲームは本当に見事だったよな。
さて、昨日首位の巨人は戸郷が中盤につかまり逆転負け。阪神の見事な集中打が光った。甲子園も盛り上がったことだろう。
おかげでカープは再び首位に返り咲いた。まぁこの辺の入れ替えは直接対決くらいまで続くだろうねぇ。
今日は巨人は菅野が先発。天気が微妙だけど、仮に菅野で落とすようなことがあれば、巨人ベンチも慌てるかもしれんし、阪神に火がつくかもしれん。巨人は本当に負けられない一戦になるだろうねぇ。
カープもこの首位を必死に守るような気持ではなく、目の前の敵をしっかり倒していく、カモだろうが苦手だろうが先入観なく自分たちの野球で攻略していけば、勝負の9月だからな自信にもなるし、1勝するごとに「強く」なっていくだろう。その可能性は新井カープが一番ポテンシャルを持っていると思う。そう感じさせる8月最後のゲームだったよな。
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