野球情報満載デイリースポーツ/薮田、4回5失点に唇噛む「いいところが1つもなかった」
情報源: 薮田、4回5失点に唇噛む「いいところが1つもなかった」/デイリースポーツ online
プロ野球選手ってのはさ、そらプロになるのも大変なんだけどな、1軍で2,3年チームの力になって初めて「一流」「主力」と呼ばれるようになる。
カープの主力である丸や菊池辺りはその辺をクリアしてきて今がある。田中広輔も2年連続ショートでフルイニング出場している。これはベンチの信頼がなければ到底やり遂げることなんてできないよな。だからレギュラーを確約されている。
ジョンソンは2年連続で最多勝争いに絡んでの3年契約を勝ち取ったわけだし、野村祐輔に関しては入団以来しっかりローテを守り抜いてきているから、この二人は「計算」できる投手。だから早々と「先発手形」を発行しても異論はねぇよな。
長きに渡ってプロ野球を見てきているけど、1年だけ素晴らしい成績を残して消えていった選手は相当数いる。特に投手に関しては本当に3年続けて数字を残すってのは本当に大変だよな。
ここでカープの歴史を少し紐解いてみよう。
最近では齊藤悠葵が記憶に新しいかな?っても最近ファンになった同志は福井と同期の日ハムの斎藤佑樹を思い浮かべるだろうけど、「赤いハンカチ王子」なんてもてはやされた時期があった。1年だけローテを守って9勝11敗。まだ若かったからな、左投手だし相当期待されたけど、その後はパッとしなかった。
抑えで30セーブを記録した小山田。ヒゲが印象的なサイドスローの速球派。カープ暗黒時代にいた選手。翌年からパッとせず先発に回って勝ち星はいくつかは上げたけど最後は横浜に移籍。
黒田と同期のドラ1澤崎(現コーチ)も1年目で12勝8敗。翌年故障したがその後は抑えで活躍したもののやはり続かず引退。故障が多かった印象があるよな。
モデルのようなルックスで女性ファンの多かった長谷川。3年目位から9勝6敗、13勝10敗と流石ドラ1と期待されたがその後はパッとしなかった。どことなく今の福井と似たような「もったいなさ」を感じた投手だったよな。
現在解説者で活躍されている山内も入団から大活躍だった。「UFO投法」なんて言われた独特のフォームからフォークを繰り出すピッチングで1年目で14勝、2年目11勝と好成績も3年目からは目立った成績を残せず若くして引退。
まだまだ行くぜ‼(笑)現投手コーチの小林幹英も投手陣崩壊の救世主として抑えで18セーブ。しかしその後はやはり目立った成績を残せなかった。
もっと古い話だと山崎健。アタクシの4つ下の弟の高校での1個先輩にあたってね、応援していたよ。アンダースローでその年3つか4つ完封したんだよな。この年9勝6敗で今後を期待されたけど伸び悩んで最後はロッテに行っちまった。
まぁこれ以上古い話をしても若い同志には煙たがられるだろうから、この辺で止めておくけどな、カープだけでも思いつくのだけでこれだけいるんだから、プロ野球、投手で2年3年続けて好成績を上げるってのは本当に難しいんだよな。
もちろん力だけではなくて故障に悩まされる選手もたくさんいる。しかし「プロ」だからな体調管理も大事な仕事。その辺もプロでやっていく為には故障しないってのも重要な要素だよな。
さて古いオッサンの話から現在のカープに話を移そう。
カープ先発陣は他球団がうらやむほど若い投手が多いよな。ジョンソンが最年長。続いて福井。あとはみんな20代。特に昨年の優勝に大きく貢献した薮田は3年目、岡田は2年目だった。それぞれ15勝と12勝。文句のねぇ大活躍だったよな。
さて、薮田と岡田。この二人がここまでの活躍をしてくれるとはカープファンでも正直なところ驚いていたんじゃねぇかねぇ。特に薮田に関しては中継ぎスタート。ジョンソンの故障で先発のお鉢が回ってきた。丁度交流戦のあたりかねぇ?1年目は主に中継ぎだったしな、先発でこれだけの投球をするなんてビックリしたよな。
とにかくあの時の薮田の投球には本当に痺れさせてもらったよ。以下の2本は薮田が先発に回って最初の頃の記事なんでご参考までに。
若武者・薮田に痺れてあたしゃ2度目の感電死。
痺れる試合の勝利が一番の薬。
そのあとはクライマックスシリーズでも2度登板しているし、本当に去年は大車輪の活躍だった。まぁ今シーズンも昨年同様の活躍を見込んでローテの計算に入れたくなる気持ちはわからなくもない。
では、当の本人は去年の活躍をどう思っているのだろうか?薮田や岡田はシーズン入る前に自分は二桁勝てる、15勝できる、そう思ってシーズンに入ったのだろうか?
答えはノーだと思う。何かのきっかけで抑えられるようになったし、勝てるようになったんだろうと思うよ。シーズン中に最も成長したのはこの二人だろうし、そこに異論を挟むつもりはないよ。
シーズン後半は流石に相手もプロだからなかなか勝たせてもらえなかった。特に岡田は前半と後半ではまるで別人になってしまったよな。結局は課題を残してシーズン終わっちまったもんな。
薮田にしてもクライマックス最後の登板は15勝した投手の投球ではなかった。薮田なりに課題を残してシーズンを終えたんじゃねぇかねぇ?
いずれにしても昨年の好成績もどこか「半信半疑」な部分があると思うんだよな。去年は去年、今年は今年。特に薮田の場合は入団して初めて「先発」での調整でキャンプを迎えているわけだから、少なからず「不安」な要素を抱えてのスタートだったんじゃねぇかねぇ?
自分なりに一つ一つ確認や修正を繰り返しながら仕上げていく行程の中でいきなりの「ローテ確定」の知らせは薮田にいらぬプレッシャーをかけてしまいやしないかとその時アタクシは心配したんだよな。岡田にしても同じだろうよ。去年後半の問題点の克服を一歩一歩踏みしめながらシーズンに入りたかっただろうし、それでも「ローテ確定」は自分の中でも喜びよりも不安の方が大きくなりやしないかと。まるで自分の息子のように心配になっちまったんだよな。
そんなことを考えながら今日の薮田の投球を見たんだけど、アタクシの言っていることが正しいとかそういうことではなくてね、やはりどこかで緊張なのか焦りなのかはよくわからんけど、球に力がなかったのと緒方監督もコメントしていたけど真っすぐの精度が非常によくなかったよな。自慢のフォークも真ん中に入ってきて痛打されていたしな、その辺なんとなく気持ちが乗っていないというかね、どこかに不安やプレッシャーを感じて投げているように見えたんだよな。
そら、1軍の当確ラインでウロウロしている選手とはまた違った「不安」。早々にローテ確定を告げられてヘタ打てないっていうプレッシャー。昨シーズンのたった1年だけの好成績でまだ自分はいっちょ前じゃねぇし、今年も同じ成績をあげなきゃならん中で自分なりに納得のいく調整をしたい気持ちもあったはず。「ローテ確定」の知らせでペースを乱されてしまった。そんな中での登板だったんじゃねぇかねぇ?
こうした理由から別の記事先発ローテ6つ目の椅子は誰が座るのか?でも書いたんだけど、少し自分がイメージしていた調整のペースというか、思い描いていたものとズレが生じてしまったんじゃないか?邪推と言われるかもしれんけどずっと引っかかってたんだよな。そこで今日のような投球ってのは今後に不安を残すよな。
こうなれば次回の登板で「薮田健在!」ってのをアピールしていかんとな。次回も同じ投球内容なら「ローテはく奪」ってことに発展しかねないという新たな「不安」が生まれてくる。こうなると最悪だよな。
野村やジョンソンのようにキャンプインからローテの確約や自己流調整を認められているならまだしもね、薮田や岡田の立場ってのは色んな意味で中途半端なんだよな。実績は1年だけど実績のある投手扱いされているわけで首脳陣の思惑と自分の自己評価のズレってのが微妙に調整やメンタルの整理に影響しちゃってるんじゃねぇかなぁと思ってみてたんだよな。
投手ってのはデリケートだからな、こうした調整やメンタル面への影響で調子が上がらなくなったり、故障したりする可能性は野手より高い。だから2,3年連続で活躍できず、場合によってはそのままユニフォームを脱ぐことにまで発展しかねない。
まだ実質1年だけの活躍じゃ相手も研究してくるだろうし、その対策も考えたいだろう。新球を試してみたり、フォームやタイミングの取り方を工夫してみたりといった彼らなりの課題をもってキャンプインしたと思うし、その辺を実戦で試して自信を深めたいだろう。そんな中での「ローテ確定」ってのに戸惑いもあるだろう。その中での調整ってとても難しいと思う。ちょっと気の毒な面もあるよな。アタクシは少し「先発手形」、早く出しすぎなような気がするよ。
そういう見方をしているので薮田の次の登板には注目したいよな。薮田にしても岡田にしても今年がプロとして飯食っていけるかどうかの勝負の年だろう。今年も昨年同様の成績が残せれば自他ともに「一流」として認められるだろう。そうなればキャンプ前から「ローテ確定」と言われても戸惑いや不安はないだろうねぇ。そこには確固たる「自信」が備わっているはずだからな。とにかく薮田が昨年同様の活躍を期待されているわけだから、次回登板で汚名返上してほしいよな。
ま、一番望ましいのは、薮田も岡田も「そんなことじぇ~んじぇん考えてないよ~」とアタクシの心配を一笑に付してくれることだけどね。
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