情報源:デイリースポーツオンライン 7年ぶり交流戦勝ち越しの広島・新井監督「自分たちのチームは戦えると思っている」二俣のV打には「今日も素晴らしかった」
「楽天3-4広島」(15日、楽天モバイルパーク)広島が2017年以来7年ぶりの交流戦勝ち越しを決めた。3連勝で4カード連続の勝ち越しとなり、貯金は今季最多を更新する8に増やした。
打線は二回に二俣がプロ入り初の決勝打となる先制の適時打。秋山も適時打を放って2点を先制した。六回は坂倉が5月25日・DeNA戦以来の適時打、堂林も61打席ぶりの適時打で2点を追加した。先発・玉村…
パリーグとの対戦は日本シリーズに出ない限りはこの交流戦でしか見ることができない。まぁ年に1度だけどあまり変化していないチームもあれば、ガラリと変わったチームもある。ソフトバンクは顔ぶれが大きく変わっていない分安定感を感じたけど、野手に関しては来季くらいから世代交代の流れになるのをを感じた。日ハムは野手陣の成長に目を見張るものがあったし、交流戦最後のカードである楽天は投打とも初めて見る選手が多く今後が楽しみというのを感じた。FAの浅村と鈴木大以外は若い選手が多いし、交流戦優勝をかけたカープとの3連戦をみると重圧というか緊張感が漂っているようにも見えた。その楽天に連勝でカード勝ち越し決定、そして交流戦も実に7年ぶりの勝ち越しを決めた。よかったよな。
玉村好投!!うれしい今季初勝利!!
先発はカープが玉村、楽天が古謝。聞くところによると二人とも2001年生まれ。同級生対決だった。先頭打者を出すイニングも結構あったけど、2回のピンチを投ゴロ併殺で切り抜けてペースはつかめたように見えた。その後は走者を出すもバタバタした感じはなかったよな。
ただ、7回に集中打を浴びた。お立ち台では点差もあったし、おそらくこのイニングまでと言われていたのだろう。少し気が抜けてしまったことを匂わせていた(笑)。まぁ若いよな。ただ、そこに玉村がここまで勝てなかった要因が少なからずあるように思う。もともと球種は少ない投手だけに、ボール先行になると狙い球を絞られやすくなる。7回もボール先行を反省していたように、悪いスパイラルに入らないように今後も工夫は必要だろう。逆にストライク先行となれば三振の山を築けれる力の持ち主。この初勝利を機にどんどん勝ち星を伸ばしてほしいし、カープの鉄壁ローテの一員としてシーズンを先発で完走して欲しいよな。初勝利、おめでとう!!
二俣らしい泥臭いヒットが先制打
さて先制したのはカープ。2回2死1,2塁から9番スタメンの二俣が1,2塁間を抜けるタイムリー。打ち方といい、打球の抜け方といい、まさに「二俣らしい」ヒットだったよな。二俣曰くとにかく三振だけはしたくないという意地も「らしさ」に拍車をかけたように思う。まさに空振りを取りに来た外への変化球にバットをぶつけるように当てていった。態勢も相当崩れていたけど、気持ちで持って行った、そんなヒットだったよな。打球もコロコロとセカンドも追いつけそうで追い越せないしぶとい打球だった。育成から支配下、そして1軍昇格と這い上がってきた二俣。この1軍昇格のチャンスも「絶対に手放さない」という気持ちがプレーに溢れている。この日のタイムリーもそうだし前日のヒットもフルスイングしている。自分には打てない投手と察すると何がなんでもと四球をもぎ取る。カープファンにとってはたまらないカープらしい選手だよな。このイニングに点が入っていなければ古謝も安定した投球を見せていたし、展開も変わっていた。秋山も続いてこの2回の2点は非常に大きかったよな。いい働きをしてくれている。これからも期待だよな。
不振の二人にうれしいタイムリー
カープがこの位置にいるのは投手陣の頑張りや若い選手の台頭、そして個人的にはベテランである曾澤や秋山、菊池といったところが元気でね、若手の頑張りを支えてくれているのが大きい。それでもチーム全員が好調ということはまずないし、元気がない選手や苦しんでいる選手もいる。昨季は正捕手として数多くスタメンマスクを務めながらも今季は打撃不振で曾澤や石原にその出番を譲るゲームが増えてしまった坂倉、今季から選手会長、開幕も4番を務めながらも打撃不振でファーム落ちした堂林とね、今季苦しんでいる選手がそろってタイムリーを打った。それも点差を広げる非常に貴重な場面で出たよな。坂倉も堂林も1塁ベース上でほっとした笑みを浮かべていたのが印象的だった。少し肩の荷が下りただろう。これをきっかけにして上昇気流に乗ってほしいよな。
この日カープ打線は10安打。すべてシングルヒットというのもカープらしい。まぁこのゲームで1本でもツーベースがいいところで出ていれば…と言いたくもなるけど勝っているからな、ぜいたくは言わんでおこう(笑)
1点差あれば逃げ切れる力
7回に楽天が3点を返して1点差になった。しかし8回島内、9回栗林と危なげなく逃げ切りに成功した。終盤で1点もリードしていれば勝てる。そういう自信がチームに育ってきているように思う。特に7回は無死から連打を浴びて2点取られてなおも無死3塁の場面。以前のカープなら交流戦ということもあって一気に相手に飲み込まれるシーンを想像するのは容易かったし、それが現実になることも多かった(笑)。しかし、このピンチをハーンが切り抜けた。いや、切り抜けたというよりはうまく楽天の反撃を「かわした」「いなした」といった印象が強く残った。
ちょっと振り返ってみよう。7回に玉村が浅村の2ベースを皮切りに3連打で2失点。なおも無死3塁。ビッグイニングの匂いもしてきたよな。ここでカープベンチは玉村をあきらめてハーンをマウンドに。まぁ打者が左の小深田ということでハーンなんだろうし、上位打線も左が多い。でも昨季までのパターンならここで矢崎が出てきてもおかしくはない。ないけど、今季の矢崎はコントロールに不安があり四球でリードを広げる危険性がある。ここは球の力で抑え込むハーンの選択は良かったと思うねぇ。
いや、昨季までのカープベンチなら玉村の成長や経験を考えると小深田まで引っ張るという選択をしていたかもしれん。頑張ってこの回投げ切れと。そして案外ピンチを広げたりする(笑)。四球とか出して無死1,3塁とか。これで一気にやられたりね、交流戦はこういう形でやられるケースが多かったような気がするねぇ。けど今回、ベンチはスパッと代えたよな。このタイミングが絶妙だったように思う。結果ハーンは小深田に犠牲フライは打たれたもののこれで走者がいなくなったわけで1点リードでピンチをリセットできた。あとはハーンが力で抑え込んで島内⇒栗林で逃げ切る結果になった。
ポイントは玉村の交代のタイミングと人選ね、いいベンチワークだったよな。このベンチワークのおかげで「終盤に来たら1点差でも勝てる」そんな自信が芽生えてきたような気がするねぇ。
パリーグは案外カープを強いと感じている??
この交流戦、カープは7年ぶりに勝ち越したわけだけど、ほとんどのカープファンはこの結果に大満足だと思うし、むしろ「驚き」さえ感じている同志も相当数いるだろう。鬼門と言われた交流戦だからな、5カードも勝ち越しなんて本当に夢のような驚きだよな。開幕前の評論家の予想も低かったし、現に得点力不足に悩まされて交流戦に入った。それが蓋を開ければ投手陣が奮闘し、野手もしっかり守るし、足を絡めてロースコアのゲームをしっかりモノにしてきた。カープファン的には出き過ぎな結果もパリーグの関係者から見れば「さすがセリーグの首位のチーム」と見らえているようだねぇ??それを裏付けるようなコメントを楽天・今江監督が発している。これは昨日のゲーム後1点差まで詰め寄ったけど惜しかったという流れからの談話。
――0-4になる前に1点でも返せれば。
「そこの1点が今は非常に重たいところになっている。7回に3点は取りましたけど、その前に首位の強いチームに序盤でも1点でも返しておけばって話ですけど、返せないところが今の状況と相手の強さってところだと思う。なんとか明日とれるように頑張りたいと思います」
なんか、そんなこと言われて鼻血が出そうだよな。
やはりパリーグのチームも目下セリーグ首位のカープをしっかりリスペクトしているし、強さを感じ取ってくれている。現役時代に相当打たれた今江監督の口からもそういう言葉が聞けるというのはうれしいし、カープは交流戦はダメと烙印を押してしまってみていた自分が少し恥ずかしくもなった。そう、カープは強くなっている。成長している。交流戦でもパリーグ相手に互角以上に戦っている。誇らしいよな。
日ハム・新庄監督もカープ投手陣をほめるコメントを残しているし、この交流戦で我々ファンもカープと交流戦のイメージをだいぶいい方向に変えることができたんじゃないか??新井監督の功績は非常に大きいよな。
さて、泣いても笑っても交流戦は今日が最後。楽天はまだ交流戦初優勝の望みはあるけど、今日勝たなきゃいかん。楽天、ソフトバンク共に勝つと1イニングあたりの得失点差で決まるそうで、今のところはソフトバンクが有利。楽天〇ソフト△なら楽天だ。とにかく楽天は勝たないと厳しくなってきた。この状況で楽天がカープにどうぶつかってくるのか??それによってゲーム展開が変わってきそうだよな。カープの先発はアドゥワ。楽天は松井友飛。主に中継ぎだけど今季はヤクルト戦で先発もしている。個人的には楽天に武士の情けもと感じてしまうけど、やはりカープがいい形で交流戦を締めてほしいというのもある。いいゲームを期待したいよな。
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