監督はカープファンじゃダメ。新井監督の野球がつまらないのはなぜなのか??

情報源: 広島・新井監督「我慢」も 自力CS消滅、3位DeNAと6差 6連敗で悪夢よぎる9月1勝7敗「粘り強くやっていくしか」

今のカープの状態を見れば、Aクラス、CSを絶対にあきらめない!!なんて言えない。これはカープファン共通の認識だろう。今日以降どうなるかわからんけど、自力CSが完全に消滅したんだから、ファンに対して希望が湧くような何かを見せてもらいたいもんだよな。…ということで昨日のゲームも飛び飛びで経過を追うといった感じ。8回裏に勝ち越されて寄り切られた結果を受けて「やっぱりね」とつぶやいたカープファン同志も多かっただろう。新井カープの野球は結果がわかる。先が読めてしまう。進歩がないとか、監督に向いていないとかSNSを覗けば様々なカープファンの「叫び」で溢れかえっている。今日はアタクシなりに整理したいと思っている。

ワンパターンな敗戦の弁

この日の敗戦の弁。「粘り強くやっていくしかない」、「我慢」。まぁ新井監督のお馴染みのフレーズだよな。色々な監督のタイプがいるとは思う。打たれた投手、ミスした選手を「敗因」としてコメントする監督は少なくない。これ、アタクシは全然ありだと思う。それは何故か??
基本、監督というのはあまり選手と交わらない。何かを伝えるにしてもコーチを介したり、助っ人選手なら通訳も交えてと。監督の立場として選手に自分の考えや、賞賛、叱咤激励を伝えるのは実はゲーム後の会見での発言くらいしかない。実は選手たちも監督のゲーム後のコメントというのは注目しているもの。中には「アイツのせいで負けた」といったニュアンスに近いコメントをすると「選手がかわいそう」「パワハラ」なんてぇ厄介者が出てくる。この辺は監督やベンチ、選手との信頼関係の中での発言なので部外者が色々言っても大きなお世話なのよ。まぁこうしたコメントを上手に使う監督も結構いる。そういった監督、誰とはここでは書かんけどやはり賛否のある監督が多かったように思うねぇ。愚痴しか言わない監督もいたけど、どちらかというと「名将」と言われる人が多いようにアタクシは思うねぇ。

新井監督は滅多に選手を批判するコメントをしない。しないから敗戦の弁がワンパターンというのはあるのだろう。選手を傷つけないように、ヘソを曲げないように優しくを意識しているのだろう。よく出る「粘り強く」「我慢」は選手やファンに向けてではなく、なんとなく新井監督が自分自身に言い聞かせているようにも聞こえる。こうしたコメントってのは選手たちにどう届いているのか??非常に興味深いよな。「監督がかわいそう」なんて思っていたんじゃぁお先真っ暗だけどな。

もちろん、新井監督は選手に近い監督なので普段から自分の考え方を伝えているのかもしれない。それがほかの監督と違うところではある。でも、ゲーム後の監督のコメントって選手たちは本当に注目しているし、効果が非常あると思う。その辺がないから選手もファンも新井監督が何をしたいのか??いつもぼんやりしている。こういったことが長く続くと選手たちも目標を失ったり、勝負に対しての貪欲さや厳しさといった感情が萎えてしまうのではないか?昭和のスパルタっぽい指導をこの日の相手の阿部監督は批判されるけど、巨人の若い選手、中山や泉口といった面々の引き締まった顔とぼんやり顔のカープの選手を見比べてみると時には厳しさや勝負のこだわりというのは大事な要素なんだなぁと感じたねぇ。まぁそれだけではないと思うけどな。

「情」が「勝負」の一手を遅らせる

新井カープの売りは「家族」だ。家族ってのは社会のコミュニティの中で一番小さい「核」ではある。だからそれぞれの家族の雰囲気はみんな違う。お父さんが一番という家庭、かかあ天下(今は言わんか)と言われるお母さんが家の全てを取り仕切っている家族、子供命の家族、三世帯家族、家族の形は色々だよな。まぁ基本家族というのは血がつながっている人の集まりだから、「情」というのも強くなる。「情」の種類も色々あるけどここでの説明は割愛させていただく(笑)。
ただ、「情」というのはいろんな意味で決断や判断を鈍らせる。皆さんも色々経験があるだろう。個人的にはそういった人間的な温もりってのは嫌いじゃないけど、「勝負」となるとたいていの場合は「情」を入れると失敗する。これも新井監督の特徴でもあるよな。

この日のゲームの中で言えば、連敗を止めたいという気持ちが一番大きかったとは思うけど、展開から言えば大瀬良に勝たせたい、ルーキーの佐々木にいい経験を積ませたい、そんな「情」が見え隠れしていたように思う。
前に「展開」と書いたのはゲーム展開の事。この日のゲームはチャンスに下位打線という流れが多かった。ここを潰して最後に巨人に勝ち越されたという展開。チャンスに手を打てなかったという意見が散見するけど、結局新井監督は手を打たなかったのは大瀬良や佐々木に対しての「情」がそうさせたんだろうと。結果、「勝負度外視」のようになってしまったわけだよな。

例えば6回。スコアは3-3だ。当然チャンスがあれば「仕掛ける」のは当然だろう。巨人は先発松本を諦めてケラーがマウンドに。真っすぐが無茶苦茶速い投手だよな。1死後末包がフェン直の2ベース。菊池が繋げず二死2塁。ここで佐々木が打席に入った。確かにこの日佐々木はヒットを打っている。でも個人的には代打坂倉あたりを持ってくると面白いかなぁとは思った。しかしここは新井監督は佐々木に経験をと打席に立たせたのだろう。佐々木はケラー剛速球に押されながらもなんとか粘った。恐らく変化球を待っていたのだろう。その辺をバッテリーも察して真っすぐを続けた。結局は佐々木の粘り勝ち。四球をもぎ取った。この辺は評価していいだろうねぇ。
これで2死だけど1,3塁チャンスだよな。打順は8番の曾澤だ。当然ここは勝負。代打策だ!!とTVの前で叫んだカープファン同志も多かっただろう。なんせ、この日の曾澤の打撃は内容がよろしくない。1打席目は内野ゴロゲッツー、2打席目は三球三振だ。代打を出されてもおかしくないだろう。しかしベンチは動かず、曾澤もあえなく凡退。チャンスを潰した。
まぁ恐らくだけど、新井監督の中で大瀬良に勝たせたい。そんな「情」が大きかったのだろう。大瀬良を勝たせるにはこのイニングに勝ち越して6回裏を抑えれば勝ち投手。勝ち投手にしてあげるためにはここまでバッテリーを組んできた曾澤を変えるというのに抵抗があったのかもしれん。目の前のチャンスよりも大瀬良の勝利。どっちにしようか??と迷ったはず。けど最終的に「情」が曾澤をそのまま行かせた、いや、考えているうちに曾澤が打席に入ってしまったのかもしれん(笑)。どちらにしてもこうなったらこうするというシナリオね、プロだから恐らくは組み立てていたとは思うけど、この組み立ての作業の中にも大瀬良を勝たせたいという気持ちが汲まれていたように思う。ちなみに曾澤が四球なんかで出塁したら、2死満塁で大瀬良に回る。この時ベンチがどんな判断をするのか??興味深いよな。

8回表にもチャンスが来た。1死からモンテロ、末包の連打でチャンス到来。モンテロに変わって代走に羽月を起用。牽制死と無謀な三盗だけはやめてくれと願ったカープファン同志も多かっただろう(笑)。
しかしこの場面で頼みの菊池がボール球に手を出してしまい、三球三振。これがもったいなかった。菊池自身も最低限でも走者3塁にといった気持がにじみ出ていた打席、意識しすぎてボール球に手を出してしまった印象を残した。
そして打席には佐々木だ。マウンドには大勢。個人的には代打でいいと思った。8回だからな、大勢のことを一番打っているカープの打者は堂林なんだけど、1軍にいない。次に打っているのは末包。これは塁上にいる。ベンチにいる選手で大勢を打っている選手は何人かいた。打率で言えば大盛が.400。安打数で言えば野間が今季2安打。坂倉もベンチに控えている。「勝負」ということを考えれば、当然こうした代打策というのはあってもいいだろう。しかし新井監督はそのまま佐々木を打席に送った。
佐々木はレフトフライに倒れてスリーアウト。この辺、大勢は野間や大盛が出てきた方がプレッシャーはあっただろうし、打たれている意識はあったはず。カープベンチが大勢に圧をかけられなかった。この辺は新井監督の佐々木への「思い切ってやってこい」という「情」が代打策を退けた格好になった。この辺も「勝負」より「情」が優先された一例だろうねぇ。

個人的には新井監督の持っている優しさや情というのは嫌いではない。それに救われた選手もたくさんいるだろう。しかし「勝負」は別。勝負の9月に2年連続で大失速しているわけで、この辺は勝負所での弱さや戦い方が身についていないという「結果」なんだと思う。苦しい時の踏ん張り、チャンスの時の勝負強さ、この辺は優しいだけでは育まれない。甘い競争じゃ培われない。これが新井カープの「家族」の形なのだろう。

つまらないのは「勝負」を賭ける戦い方をしていないから

8回のチャンスに新井監督が打った手は代走の羽月のみだった。1年目は勝負とみると畳みかける選手起用を見せてくれたこともあったけど、昨季、今季とそういった采配が影を潜めたように思うし、むしろ打つ手の遅さやその結果ゲーム展開が後手後手になったり、そこからカープの選手に妙な圧がかかってサヨナラ負けや逆転を食らう、そんな展開が今季は多かったように思う。
それと新井監督の3年間で「チーム」を作れなかったというのも大きいのだろう。昨日の記事でも書いたし、これまでも何度も書いてきたけど、上位打線の固定やブルペンも役割が何年も固定されているがゆえの疲労というのもある。代走ってのは何人かいるとは思うけど、今のカープに代打の切り札という存在はいないよな。古くは西田さん、前田智さん、松山とね、あの6回の場面、8回の場面で仮に代打・前田となれば、スタジアムは沸くだろうし、相手も「厄介」と思うだろう。プロ野球ってのはそうした「ヤマ場」ってのを作って戦うのも醍醐味。残念ながら新井カープにはそうった部分が非常に乏しいと感じる。だから期待が膨らまないし、ワクワクしたゲームができない。非常に残念なことだよな。

仮に昨日のゲームにベンチに勝負勘があるのであれば、7回から栗林、8回島内と勝ちパを投入しているんだから、どんな形でも点を取りにいかなきゃ嘘なのよ。そういう流れにベンチが持ち込めなかった。6回のチャンス、8回のチャンスに動けなかったというのが敗因といってもいいんだろうねぇ。ある意味、この連敗や失速はベンチが作っている。そういってもいいかもしれんねぇ。

監督は「カープファン」ではダメ

新井監督は「成長」という言葉をよく使う。カープファンの醍醐味としては若手のころから目をつけてひたすらその選手を応援していくといったスタイルは昔、結構多かった。そしてその選手がレギュラー取ったり活躍すれば涙する。ファンをやっていてよかった。となるわけで、ファンにとって選手の成長は本当にごちそうだよな。ファンの特権だろう。
じゃ、その成長の先に何があるのか??指導者ってそのビジョンは示さなきゃいかんと思う。そのビジョンは不動のオーダーであったり、勝ち方の確立であったり、そして「強いチーム」というのが究極のゴールだし、そこへ向かってのビジョンを示さなきゃやっている選手だって、自分がチームに何ができるのか??を考えることだってできないだろう。不動のオーダーを確立すれば、その争いに敗れた選手は自分が生き残るためにどうすればいいのか??自ずと考えるだろう。中には代走のスペシャリストとして盗塁を磨く、守備固めとして高いレベルで複数ポジションをこなす、代打の切り札として勝負強さを磨く選手が出てくるはず。そうやってチームというのは出来上がっていくものなんだと思う。みんなにまんべんなくスタメンの席を与えるような緩さではそういった勝負強さは勝負勘は養われない。SNSなんかでも誰々をスタメンで使え、アイツを1軍に上げろといった「ファンの声」は聞こえる。どうも新井監督の起用は監督してではなく「ファン」の希望をかなえている。自分がこういうオーダーを見たいって気持ちが入り混じっているように見える。そして選手の成長で満足している。カープファンの自分がスタメンを考えている、アタクシにはそう見える。でも監督ってファンじゃダメなんだと思うねぇ。

SNSでは新井監督退陣論が花盛り。後任には野村謙二郎さんと報じているタブロイド紙もある。まぁでも来季も新井監督だろう。それでもいい加減、藤井ヘッドも「これまで」となるだろうし、責任を取りたいと申し出るコーチも出てくると思う。そこをカープ球団がどうするのか??結局、新井カープを誕生させたのは球団だし、昨季の大失速の責任を誰も取らなかったのも球団が認めたからだろうし、カープ球団としても余計な銭を払いたくないから、それでいいよとなったのだろう。新井監督が希望したという話も聞かれるけど、そんなの何とでも言えるからな。結局はカープ球団の怠慢が生んだ2年連続の大失速。この責任は新井監督だけに押し付ける。その責任の取り方は「辞める」だけではないだろう。「もう1年やって取り返せ」といういい方で続投の可能性は十分ある。もしそれならば、この大失速の原因を検証するのは球団の役目。そこはしっかりやってもらわんと新井監督も気の毒だと思う。いずれにしても球団も新井監督も「強いカープ」を作ることを真剣にやってもらいたいものだよな。

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監督はカープファンじゃダメ。新井監督の野球がつまらないのはなぜなのか??” に対して2件のコメントがあります。

  1. MAX より:

    おはようございます。

    新井野球がつまらないのは、コロコロスタメン変更があるからだと思いますよ。新井政権より前の佐々岡政権で朝山コーチが上に上がって以降こう言うコロコロスタメンが増えた気もしますが。
    緒方政権時代はコロコロ変えたりせずに野間起用とかばかりだったのでそこまでコロコロしてる感じには見えなかったですね。

    あと現役を共にした選手が多いこと、他球団の監督も集まった際の質問コーナーで選手に絶対情けをかけてしまうと答えたのもあって、勝負に徹することができない面があるのかなと思ってしまいます。
    現役を共にした選手が多く主力でいることは、絶対温情をかける原因になると思っていたので、監督就任時からずっと危惧していましたし、ネットの記事でもそれを心配する声がありました。

    チームは家族とか言っちゃってますけど、家族だからなんでも許しちゃうなんてのはあり得ないですし、結局プロはチームも選手も金や勝利といった利益追求であるべきですから、チームの仲がそんなに良くなくても勝てればいいですし、利害一致してればそれで十分です。
    むしろチームの仲が良くない方が温情をかけずに放出に躊躇しなくなると言ったメリット効果もあると思います。(過去のカープで言えばフロントや一部選手と不仲だった慶彦の例もありますし)

    あとどうにかして選手に勝ち星なりタイトル争いさせたいなんてのは必要ないと思ってます。
    最下位みたいな状況では他球団もお試し起用なりしてくるでしょうし、そんな中でホームラン乱発しましたみたいなことされても結局個人の記録や出来高に走ってる気がするので、チームとして見たら打席数・試合数・登板数・イニング数を契約で確約していないのであれば個人のタイトルや勝ち星のために情けをかけるのは無駄です。

    ただ、即座に新井監督やめろしても誰が監督やるかだと思います。
    ノムケンにやらせたいのであれば堂林は戦力外にしてほしいです。監督が惚れ込んだみたいな選手はチームには不要であって、使える選手だけ一軍で使うべきだからです。将来性のある選手は二軍でやることなくなってからだと思いますし?

  2. キエさん より:

    おはようございます。
    更新記事を一気に読みました。
    昨夜も家族全員でテレビ観戦でした。

    私は、一回から大量失点じゃないだけでもよかったと思っています。そういう意味でも、キャッチャー會澤は意味があると思います。

    會澤選手に代打を送らなかったのは何故か。
    解説者達の常識としては、代打だったようで、ヤフコメでも盛り上がっていました。

    局面局面での判断は、その人の人柄を表すのではないかと考えており、新井監督なりの人選や作戦がある。
    一年目は、三連覇時選手の力が残っていたのでしょう。
    いい方向に進んだ。

    でもね、Mageさん
    私は、もういいから次にいこう、いってくだだいって感じで、冷たくみていました。

    監督本人が切り替えなかったのか、球団が切り替えさせなかったのか、わかりませんが、現象からすると
    まだそこにこだわってるの?って感じていました。

    来季も新井監督だとして、一個人を〇〇してやりたいというスタンスが変わる可能性があるのでしょうか?
    本人がそれでいいんだと思っているのならば、なおさら難しいのではないでしょうか?

    私は、チームを勝たすことが監督の仕事だと思うのですがどうでしょうか?
    向いていようがいまいが、今現在監督は新井さんなので、そうなんだねと納得するしかない。

    色々疑い始めるとキリがなくなるので、このへんでやめます。

    これからも、よろしくお願いします。

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