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森下、新人王をグッと引き寄せる8勝目。ドラ1,2の活躍を見て改めて思うスカウティングの良さ。

愛すべき赤ヘル戦士
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 「広島3-0ヤクルト」(10日、マツダスタジアム) 広島のドラフト2位・宇草孔基外野手(23)=法大=が出場5試合目で初のタイムリーを放った。

情報源: 広島・宇草 初タイムリーの手応えは「全くないです」同期・森下を援護 2人でお立ち台

昨日の夜はアタクシの仕事絡みのTV放送があってね、こっちと掛け持ち観戦になった。まぁTVの影響力というのはスゴイ。紹介された商品はその番組が放送中にもかかわらず、バンバン売れていく。

ホント、今まで売れていなかったのに、急に売れるからねぇ。あとはその商品をどれだけ揃えて準備するかで売上は変わってくる。基本コンビニ業界ってのは「売り切れ」を良しとしない。もっとあったら売れるのでは?という疑問をいつも持ちながら商売やっている。その見立てが上手くいくとね、本当に気持ちいい。この商売の面白いところなんだけどな。

まぁそのTV放送も19時~だったんでゲーム開始1時間はしっかり見られた。まぁ昨日のゲームは最初の1時間だけでも見ごたえがあった。森下という黄金ルーキーを十分堪能できたからねぇ。

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勝負は1回の攻防。これで流れが決まったゲーム

まぁこのゲーム、流れを決めたのは1回の攻防と言ってもいいだろうねぇ。

立ち上がりの森下。まぁどんな投手でも立ち上がりというものはなかなか難しいもんだよな。

ヤクルト打線も1番エスコバー2番坂口ってのが機能している。初戦もエスコバーに面白いように打たれていた。

森下も出鼻をエスコバーに挫かれた格好で無死満塁のピンチを作った。打者は村上。おっかねぇよな。

森下はここまでこの村上を打たせていない。まぁそれでもこの選手は怖い。この対戦は非常に見ごたえがあったよな。

村上はこういうチャンスで変化球を拾うのがすごく上手い。この辺、森下も速い球の方が抑えられると考えていただろう。それと、初回から「ギア」を上げなきゃならん展開になったからな、力と力の勝負になったよな。

フルカウントからの真っすぐで押す森下と必死に食い下がる村上の勝負は見ごたえがあった。最後は森下がインハイの真っすぐで空振り三振。見事だったよな。

森下は「抑え方」を知っている

まぁ「勝てる投手」というのは「抑え方を知っている」。これは非常に大事な要素のように思う。

普通、立ち上がりで無死満塁となれば、例えば前日の床田や遠藤のように失点してしまうケースの方が確率高いだろうねぇ。だから床田はまだ2勝だし、遠藤は開幕からローテ守っているにも関わらず3勝なんだよな。

昔から無死満塁は点が入りづらいという。満塁の方がアウトの取り方に幅ができる。ピンチの時にあえて「満塁策」をとるのもそういったメリットもあるからなんだろうねぇ。野球というのはそいうところが面白い。

無死満塁で1点もやらんようにするにはまずはランナーをくぎ付けにしてアウトを一つ取ることだよな。そうなると三振が内野フライというのがベスト。

森下はこうしたピンチの時にベストのアウトを取りに行けるんだよな。これは技術だけじゃダメだし、メンタルだけでもダメ。心技一体となって投げ込まなきゃいかん。これがよくいう「ギアを上げる」ってことなんだよな。

それをきちんと理解したうえできちんと三振を取る。ここが森下が勝てる投手たる所以なんだと思う。

アウトを一つ取れば、次は外野に飛ばさせない、もしくはゲッツーで締めくくる。となれば、次の打者には低めの変化球を引っかけさせたりする投球を心掛ければいい。無死は何がなんでも三振だけど、1死なら、もちろん三振が何も生まないからベストだけど、必ずしもベストでなくてもよくなる。

次の打者は青木。内野の間、内野の頭を抜く打球をねらって打てる打者。38歳ながらも足はそれなりに速いからゲッツー崩れで点を失う可能性はあるよな。

内野が少し前に来てゴロを打たせてホーム封殺。これも一つの手だよな。

その青木に対しては村上とは対照的に低めに変化球を投じた。初球はチェンジアップ、2球目はカーブ。これで追い込んじゃうところが森下の凄いところなんだよな。

さぁ、青木はどうしよう。追い込まれた。高めに目付して外野フライ狙いも頭をよぎっただろう。3球目はインハイ高めに外し気味の球。これを青木が高め!?と思わずバットが出たかもしれん。これがどん詰まりのサードゴロ。これでホーム封殺で2アウト。こうなりゃあとはバッター勝負でいいってことになる。

最後のアウトをいとも簡単に取るところもスゴイ

さぁ、あともうひと踏ん張り。まぁ投手の弱いチームというのは、勝てない投手というのはここでのもうひと踏ん張りができない。あとアウトひとつまで漕ぎつけながらも痛打を浴びたり、カウントを悪くして最悪押し出しとかやらかす。

この場面での森下は圧巻だった。続く中山を3球三振。この3球三振が「空振り」というのがミソ。よく3球三振は追い込まれてきわどい球に手が出なくて見逃し三振が多い。ところがこの中山の場面は初球カーブでファールを打たせて、2球目3球目は150キロの真っすぐを空振りさせた。ここがミソ。

無死満塁のピンチを最後は三球三振で投手が「圧倒」して終わる。無失点に抑えるという、この「意味」は非常に大きいように思う。相手チームには「こりゃ打てんぞ…」という印象を与えるし、味方もこの圧倒を見て攻撃に専念できる。そういう「流れ」をピッチングで印象付けることをやってのけた。この空振り三振での締めくくりというのは非常に大きかったように思う。

8勝目で新人王を引き寄せた!?ここでおさらい。

初回にかなり球数を投げたのでこのゲームは6回を完封してお役御免。その後リリーフも安定した投球を見せてくれたのも、森下がヤクルト打線を圧倒してくれた流れに乗ったものだろう。ブルペン陣もよく投げてくれたよな。

これで8勝目。新人王をグッとこちらに引き寄せた印象がある。ここで森下と戸郷の成績をおさらいしておこう。

森下は8勝3敗 防御率2.28 投球イニングが98回2/3 104三振
戸郷が8勝4敗 防御率2.75 投球イニングが78回2/3 81三振

勝ち星以外はこれまで森下がよかったけど、この8勝目で勝ち星も並んだ。まぁ見た目も森下が有利に思える。

何度も書くけど、新人王は記者投票で決まるのでとても印象が大事だよ。まずは数字の面で見た目を整えておくことはできているだろう。

完投勝利も森下は記録している。できれば、もう1試合、完投出来たらかなり優位に立つだろう。

それと、規定投球回数ね、ここもクリアにしておきたい。今季は120試合制ということで120イニングが規定投球回数。防御率のタイトル争いに参戦するにはこの規定投球回を投げるのが条件になる。

カープの残りゲームがあと25.単純計算であと4回森下のは登板のチャンスがある。それぞれ6回を投げ切れば規定投球回数に達するだろう。ここもクリアしておきたいよな。これをクリアすれば防御率でも今のところリーグ4位。菅野、大野雄、西に次いでだから各球団のエースと肩を並べることになる。1位の菅野を抜くのは難しいけど、3位争いにはなんとか食い込めそうだよな。となれば新人王もかなり現実味が帯びてくる。ゾクゾクするぜ。

先制タイムリーの松ちゃん。流れを呼び込んだ4番の仕事

話を1回の攻防に戻そう。森下がまず大ピンチを切り抜けた。決して「運」的なものではなく「力」で切り抜けた。ベンチに戻る野手陣にも勇気を与えた投球だったよな。

打線はそれにこたえるように先発スアレスを攻めた。

宇草三振のあと広輔がフェン直のツーベース。誠也は見逃し三振。ま、あれはボールよ。誠也は気の毒だったよな。

そして4番の松ちゃん。こういう場面では頼りになる。大好きな低めの球をレフト前に。広輔の走塁もよかった。

アタクシはこの1点ね、1点だけどヤクルトに与えたダメージはかなりのものがあったように思う。無死満塁のチャンスで森下に抑え込まれた上に、あっさりとカープには点を取られた。もうこの時点で森下がチョンボでもしなければ、カープの流れでゲームが進む。安心してチャンネルを変えられたよ(笑)。

ドラフト1,2位がお立ち台。カープならではの光景では?

その森下の白星をグッと引き寄せたのが5回の宇草のタイムリー。それもヤクルトが逃した「満塁」からの2点タイムリー。これもヤクルトベンチにグサっと刺さったんじゃねぇかねぇ。

手ごたえは全くなかったそうで(笑)。まぁそれでも満塁のチャンスにしっかりバットが出るってのが大事。バットを振らなきゃ何も生まないからねぇ。

森下と比べても1軍に上がってくるのが遅かった。まぁカープの外野陣というのは層が厚い。今季は龍馬の故障があったから、大盛にチャンスが巡ってきた。龍馬が元気なら大盛どころか宇草にもチャンスがなかったかもしれん。

運もあっただろう。でも運でもなんでも自分にまわってきたチャンスでしっかり結果を出せるというのはね、やはり並みのルーキーではないよな。

森下も宇草も大卒。まぁ大卒の新人は1年目が大事。1年目で1試合でも1軍に引っかからないと2年目から大変。特に野手はね。そして層の厚いカープ外野陣を押しのけて今や1番打者としてゲームに出ている。大盛だって黙っちゃいないだろう。

そんな中でも1軍に上がってしっかり結果を出してくれる選手がカープに入ってきた。森下はもちろん宇草の大卒組は将来のカープを背負う選手になるだろうし、高卒で取った鈴木や玉村は体づくりの1年を終えて来季どんな成長を遂げているか楽しみな素材だよな。

こうしてみるとカープのスカウティングというのは改めて優秀だなぁと感じる。もうすぐドラフトだよな。どうだろう?個人的には即戦力投手。森下と将来2枚看板になるうる可能性のある投手を取ってほしい。それとスケールの大きい大砲候補も欲しいよな。まぁどんなドラフトになるか楽しみだよな。

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