「巨人0-2広島」(27日、東京ドーム) 広島・長野が1軍復帰後初安打を放った。2点リードの八回、ジョンソンの代打で登場し、3番手・大竹から三塁内野安打を記録。6月18日・ロッテ戦以来、13打席ぶりの安打だった。
もうアタクシはリーグ優勝は諦めている。すでに先週の6連戦で勝ち越せなかった時点で諦めている。人間、諦めも肝心。と口では言いつつやはり巨人戦となるとハートに火がつく。カープファンの悲しい性よ(笑)
なんだろう?両チームとも非常に硬かった印象がある。カープはもう負けられない戦いを強いられているし、この巨人戦を何としてでも3タテしたい。初戦を落とせば、その目標も失う。まぁ もう毎日が負けたら終わりという状況にいれば、硬くなるのも無理はない。ただ、この状況を選手たちが「楽しむ」ことができるなら、ひょっとしたらひょっとするかもというムードが出てくるだろうねぇ。
逆に巨人は?巨人にとってね、先週末のDeNA、そして今週のカープ戦ってのがある意味、「最後のヤマ」なんだよな。もちろんまだDeNA戦が6試合あるってのも気持ち悪いんだろうけど、大型連敗を喫しそうな日程ではない。だからこのカープ戦も「一つ勝てばいい」のよ。恐らく原監督の頭ん中もそうだろうと思う。この3連戦で菅野が投げるしな、ここで勝てばいいくらいに思っていただろうよ。この3連戦の前は。
ただ、やはり原監督の中で気持ち悪さってのが大きくなってきてはいるだろう。初戦を取ればなんてことないけど、もし、菅野で負けたら…となると3タテ喰らう可能性も出てくる。まぁ2勝4敗も1勝5敗もさほど変わらん印象だけど、借金を2減らすのと4減るのと比べれば結構な差だよな。もし3タテをカープに喰らったら尻に火がついてくるだろう。
まぁ巨人の方はやはり松山に一発食らって追う形になってから、硬さを感じた。メヒアの一発でまた一層硬くなった。そんな印象だよな。
先発のジョンソンは結構四球を出していたから、早々にKOされてもおかしくなかった。それでも要所要所でいい球があったんで形になった。巨人打線の硬さにも助けられた側面はある。
でも、やはり巨人打線を黙らせたのはジョンソンが実は丸キラーになっているってこと。これが非常に大きかったと思うよな。ここで巨人の反撃の流れを断ち切れた。
圧巻だったのが7回裏の場面。ただ、その前の5回裏にもジョンソンは丸からチャンスで三振を奪っている。この打席が伏線になっているので先にそこから振り返ってみよう。
5回も7回同様2死1,2塁の場面だった。ジョンソンの対左打者への攻めってのは主に外のスライダーかチェンジアップがカットボールと三つの変化球で仕留めるパターン。
そのためにインコースに少しエサを撒いておく必要がある。ただこの打席は球が高めに浮いて3ボールになっちまった。不用意にインコースに行けば丸ならそれを狙ってスタンドに叩き込む力は持っている。無理に勝負しないで歩かせるのもやむなし。そんな感じだったよ。
ただ、捕手石原はまだ打ち取れると考えていたんだろうねぇ。甘めの真っすぐをファールにして、カウントは3-1。バッティングカウントだよな。ここで打者は大きくヤマを張ってその球が来たら仕留める。そういう準備をしていただろう。
じゃ、丸はどんな球を待っていたのか?恐らくだけど外のカットボールか、スライダー。チェンジアップなら仕方ない。という感じだったろう。踏み込んでいくつもりでいた。
それを石原が見透かしたようにインハイ高めのシュートを投げ込んだ。踏み込もうとした丸の体目掛けて投げてきた。慌ててバットを出してファールにした。実はこのボールの残像が丸の頭にこびりついたんじゃないかねぇ?
カウント3-2。さぁ次は?今度こそ外なのかはたまたインコースの速球系か?バッテリーがチョイスしたのはスライダー。前の球ほど踏み込めなかった丸のバットに当たることなく空を切った。この5球目のシュートね。これが7回の丸の打席でも効いてるんだよな。
では7回の丸の打席。場面は同じ2死1,2塁。カープバッテリーはスライダーでカウントを整えた。この間に恐らく石原は丸の頭の中にさっきのシュートが残っていることに気づいたんだろうねぇ。思っていた以上に踏み込んでこない丸にそれを感じたんだろう。実際に丸のバットはジョンソンのスライダーに届いていないので、それだけ踏み込めていないのがわかる。
では丸はどう考えていたんだろうか?もし、あのシュートが全く頭に入っていないのであれば、初球、2球目のスライダーを仕留めていたに違いない。きちんと踏み込んで行けただろう。
仕留められなかったのは踏み込めていないから。どこかであのシュートが来るかもという心理が踏み込みを甘くする。体が知らず知らずのうちにあのシュートを警戒していたように思うんだよな。
仮にまたどこかのカウントでシュートを投げ込まれたらますます迷いが生じる。投げ込まれる前に打ちたい。それが焦りに変わったのかもしれん。でもジョンソンのスライダーは踏み込んでいかないと芯に当たらん。悩ましいよな。
石原も老獪だよな(笑)。ならばとスライダーを続けて三振に仕留める。見事だったよな。
実は、この攻め、1番の陽にも同じように攻めていた。インコースを意識させての外角攻め。ジョンソンが投げる瞬間にインコース対策で外に踏み出す。そこに外角の緩い球が来るからバットが届かない。1番打者の仕事をさせなかったよな。
ランナーを出しながらも要所の打者をしっかり打ち取った。こういうピッチングもあるよと非常に興味深い配球だったよな。
配球と言えば8回の遠藤。一発出れば同点の場面、阿部慎之助を打ち取った。フルカウントから會澤が要求したのはインハイの真っすぐ。
恐らく阿部は全く予想していなかっただろう。まぁそれでも一発のある打者にフルカウントからよく要求するよな。
まぁそれもこれも遠藤のマウンド度胸と細かくはないけど、コントロールの良さからこうした配球をチョイスできた。中崎が投げていたらこの要求はできないだろう。とにかく遠藤はまたいい経験ができたよな。
最後に長野の使い方。ん~なんだろうねぇ。8回にジョンソンの代打、イニングの先頭打者で打席に立った。東京ドームは大歓声だよな。個人的にはこのムードを味方につけることはできないのかなぁと。
つまりは先頭打者としての代打ではなく、ここ一番の代打というのもありなんじゃねぇかと。そういう場面で長野を使えば東京ドームなら異様な盛り上がりになる。これって巨人の投手にとってはものすごいプレッシャーになると思うんだよな。
個人的には1打席だけの代打では長野の力は発揮できない。4打席立ってなんぼだと思う。でも、代打として起用するなら、場面というのは大事だと思う。その辺、相手が嫌がる野球をやるのは原監督の方が1枚も2枚も上だよな。
巨人戦はドームで残り4試合。この戦力を使う手はないとともうんだけどな。
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