「広島5-4ヤクルト」(15日、マツダスタジアム) 広島が劇的なサヨナラ勝ちで2位タイに浮上した。1点を追った九回2死一塁から、秋山翔吾外野手(34)が今季1号となるサヨナラ2ラン。16日が誕生日の男が、34歳最後の日に輝いた。秋山のサヨナラ弾は西武時代の2012年以来、2本目。新井政権初のサヨナラ勝利で2019年(7連勝)以来の本拠地6連勝となり、雨の中でも声援を送り続けてくれたファンに、最高の形で応えた。
情報源: 秋山 移籍後初サヨナラ弾 35歳誕生日の“前祝い”だ マツダ6連勝で広島2位タイ浮上
正直に言おう。アタクシはこのゲーム、サヨナラ勝ちの瞬間だけ見逃した(泣)。ちょうどその時間は娘のバスケのお迎えが入っていてね、雨降ってなきゃ一人で帰ってこいなんだんど、東京は昨日1日雨。娘を待っている間に速報を確認するとスコアの9回裏に「2X」が入ってる!!一人車の中で歓喜の瞬間を迎えたよ。まぁアタクシなんざぁ別にいい。悪天の中スタジアムで応援してくれたカープファン同志には最高の形をお見せすることができた。ビールも美味かっただろうねぇ。
先発・床田「四球」で慌てた??
さて、このゲームも雨に悩まされたよな。まぁ「雨」はカープにとっては吉兆。昨日の記事52年ぶりの2度目の降雨コールド勝ちで王者・ヤクルトに今季初勝利!!ゲーム中に伝わってきた大瀬良・野間・カープナインの「キモチのリレー」でも案外カープは雨を機に流れがこっちに来る傾向がある。とはいっても昨日の先発床田、ヤクルトの高梨ともに苦しい投球が続いたよな。
このゲーム、やはりポイントは「四球」なんだろう。最近の野球は本当に四球が絡んで点が入るケースが多くなっているように思う。まぁ確かに四球というのはヒットと同じだし、相手に差し出してしまっている側面があるから、それが失点につながるとどうしても「もったいない」という感情がわいてきてしまうのだろう。だから「四球はダメ」という風潮が強くなってきているように思う。まぁ現代的といえば現代的なのかねぇ??
昔は四球出しても抑えればいいんだろ!?とばかりに力で抑え込む投手が多かった。まぁそれが出来る投手は凄く勝つし、できない投手の方が多かったのだろう。だから一人の投手に頼る形があった。金田さんの400勝なんて今の時代はあり得ないし、「権藤・権藤・雨・権藤」とね、同じ投手が毎試合先発していた時代もあった。こうした投手は四球なんて全く気にせず打者を打ち取ることだけに専念して白星を重ねてきたのだろう。まぁ今の野球はこうした起用法はないけど、四球??うるせぇ!くらいの投手がいてもいいかなぁとは思うことはあるねぇ。それだけ「四球」に対して過敏になっているようにも見えることがあるんだよな。
話を戻そう。床田の失点も両方「四球絡み」だった。4回はサードのエラーで1死2塁。ここで村上を迎えて四球を出した。まぁ1死だし個人的には四球だしても塁が埋まるからオスナに内野ゴロでゲッツーという計算が立つし、慌てる必要はないとは思うんだけど、オスナには上手く右中間に運ばれて1点を返された。この辺でひょっとしたら床田の中にまだ村上に対しての四球が引っかかっているのかなぁという感じにに見えた。続く赤羽の打球は投ゴロも床田が取れずにトンネルする形になった。まぁあの打球もちょっとイレギュラーというかね、雨でぬれて打球の速度が変わって捕球のタイミングが合わなかったというのが正直なところだと思うけど、少しプレーに集中できていなかった印象はあったよな。
勝ち越された6回も先頭に村上に四球を出した。この出し方があまりよくなかった。ストライク2と追い込んでからの四球だからねぇ、「もったいない」という考えが先に来てしまったように見えた。気持ちの整理がつかぬ間にオスナにつながれた。赤羽のスクイズはマクブルームの好プレーで防いだけど、続く濱田に死球とね、ちょっとバタバタしている印象があった。その後の長岡のタイムリー、青木の犠牲フライはいずれも早いカウントからヤクルト打線がバットを出しているのを見ると四球や死球で心穏やかでない床田が「ストライクを取りにくる」と見透かしてバットを出していたようにも見えた。もし、そうだとするとさすがだなぁと思うねぇ。カープ先発陣の中で安定感は一番だと思っていた床田もやはり人の子。こうしたもったいない投球である意味自滅してしまった形になった。次に向けての反省だよな。
龍馬今季一号はチームに勇気を
前々回の記事開幕10試合のデータで読み解く新井野球の大きな特徴は12球団唯一の「犠打0」課題の中継ぎ強化で期待する投手は!?でカープのホームラン数について書いたんだけど、半分がデビッドソン、広輔、堂林、坂倉が1本ずつと打っているんだけど、まだ中軸に3,4,5番に出ていない。この辺が気になるところだよな。そんな中、ひっくり返された直後に5番龍馬に一発が出た。右中間の一番深いところに放り込んだ。素晴らしい一発だったよな。
龍馬自身、本人のコメントとは裏腹に毎試合結果は残している。得点に絡んでいないというところは本人も多少のストレスはあったのだろう。この1発でだいぶスカッとしたんじゃないかねぇ。相乗効果なのか3番の秋山にも一発が出た。今日あたりマクブルームにも初日が出るかもな。いずれにしてもクリーンアップで一発が出始めると得点力も上がってくる。期待を膨らませてくれる龍馬の一発だったと思うねぇ。
中継ぎ陣の踏ん張りがサヨナラを呼んだ!?
昨季までのヤクルト戦なら、6回の逆転後にヤクルト打線に着々と点を重ねられてワンサイドの展開となり力の差を見せつけられただろう。いやいやまだ2点差、7回には菊池のタイムリーで1点差、何とかなるというムードが昨季には見られなかった。ヤクルトにリードされた1点や2点が非常に重たく感じていたのはアタクシだけはなかったと思うねぇ。
しかし今季は中継ぎ陣の踏ん張りもいいよな。勝ちパの投手もそうだけど、この日投げた中継ぎ陣もよく投げたと思う。島内は床田が残したピンチを真っすぐでグイグイ押して最後はフォークで見逃し三振に仕留めた。河野も冷静な投球が光ったし、久々の登板のケムナも非常に気持ちが入っていたように思う。そして戸根も最終回に期待を持たせる投球だった。特にケムナが11球、戸根が10球でヤクルト打線を仕留めた。この辺の少ない球数で相手の攻撃を封じリズムを作ってくれたことは非常に評価できると思うねぇ。
最後は秋山のサヨナラホームランで今季、現役ドラフトで移籍してきた戸根に移籍後初白星が転がり込んできた。戸根自身もうれしいだろうねぇ。まぁこれは終盤投げた中継ぎ陣の頑張りを戸根が代表して白星を受け取ったようなもの。今日の勝ち投手は戸根だけではなく島内、河野、ケムナ、みんなの白星といってもいいだろうねぇ。うれしいよな。
野球はツーアウトからって本当によく言ったものだ
野球とほかの球技と大きな違いは時間制限がないということ。お互い27個のアウトを取った時点で点が多い方が勝ち。つまり27個目のアウトを取らない限り試合は永遠に続くということだよな。サッカーなら残り1分で4点差を追いつくことはできないし、バスケットだって残り1分で4ゴール差を逆転するのはかなり難しいだろう。試合時間が進むにつれてどこかで諦めが出てくるのも仕方ないだろう。でも野球は27個目のアウトを取るまで終わらない。だからこそ「野球はツーアウトから」なんて言葉あるし、ドラマチックな展開も多い。この辺が野球の醍醐味だよな。
秋山のサヨナラHRもきっかけは「四球」だった。アタクシは9回裏、先頭打者の上本が粘ったけど倒れた時点で時間切れ。上本が出れば追いつけるかなぁと思っていただけに少しがっかりしながら車に乗った。2死を取ってヤクルト守護神田口もホッとしたのかねぇ??代打・堂林に四球を与えた。決して剛速球ではない田口が守護神を務められる理由としては四球を出さないというのが一番だろう。田口にしては珍しい四球だった。それもストレートの四球。アレ??と思っていただろう。
野球の格言に四球の後の初球を狙えというのがある。四球を出した後、投手はどうしてもストライクが欲しくなる。だから甘い球が来る可能性が高いよという話なんだけど、秋山の頭の中にそれがあったかどうかはわからんけど、秋山はその初球を思いきり叩いた。フェン直かな??という打球はレフトスタンドに吸い込まれていった。いやいや本当に四球というは怖いよな。
ヤクルトに対しての苦手意識は間違いなくあった
秋山は昨季途中からカープに入団した。本当にありがたいよな。昨季は途中加入、体調も万全はなかったようだけど、若手の手本となり、菊池とともにチームを引っ張っていってくれた。そんな秋山も入団した時からカープのヤクルトに対する苦手意識は感じていたようだねぇ。インタビュ―の中でこんなことを言っていた。
「けっこう(力が)試されるカード。普段通りやるんだけど(ビジターで)やられた分を、ホームでやり返さないと。組む前から『嫌だな』というのはありがちなので」
この辺には開幕神宮で3タテ食らった時に漂っていたチームのムードが垣間見られるよな。秋山はこの3連戦前にも同じようなコメントを残しているので、かなり気合が入っていたんだろうねぇ。
そして
「相手がどんな状況とかは関係なく、自分たちが勝つことで苦手意識や嫌な感じを払っていかないといけない」
「きょうは何とかしたろう、という思いで球場に来た」
と、やはりこれまではカープのどこかでヤクルトに対する苦手意識のようなものがあることを昨季から感じていたことを匂わせているし、そこを何とかしようという気持ちがよく表れているコメントだと思うねぇ。カープも上に行くにはまず対ヤクルトというのは絶対に乗り越えていかなきゃいかんカベだろう。いやいや、乗り越えんでもいい。互角に渡り合うだけも十分だろう。そういう戦い方をシーズン早いうちからできるようにしておけば、十分戦えるという自信もあるのだろう。本当に頼もしい選手がカープに来てくれたよな。
もう一つ言えば、堂林の四球直後の初球をあれだけシバけるのはやはりパ・リーグ育ちの選手だなぁと思った。カープの選手ならあの初球を手を出しても打ち損じている可能性の方が高いんじゃないかな??慣れていないから(笑)。パ・リーグは空振りでもいいからそんな球は絶対に強振してくるだろう。そういった外部の血というかねぇ?いい手本を秋山は見せてくれたような気がするねぇ。
新井監督、選手と一緒に秋山を「お出迎え」
こうしたサヨナラ勝ちをしても大抵の首脳陣はベンチ前でコーチ陣と握手をして歓喜の輪を解きベンチに戻る選手を出迎えるのが普通だろう。しかし秋山のサヨナラHR直後、ベンチ前に新井監督の姿はなかった。
当然のように選手と一緒にベンチを飛び出し、ホームに還ってくる秋山を「出迎えた」。この辺は新井監督だよな。
選手一人一人に直接声をかける姿もよく見かける。好投した投手だけではなく、途中降板した床田にも声をかけていたのが印象的だった。みんなで勝つ。そのためには必要なリーダーの行動だろうねぇ。
そして地元で6連勝だ。この辺はファンの声援後押し、マツダスタジアムのムードね、これも影響しているだろう。今季はヤクルトをはじめ他球団が「広島に行くのはイヤだ」。そう思ってくれるならこれも大きな「戦力」。声援が戻ってきた副作用だろうねぇ。
さぁ これでヤクルトに連勝。順位は2位タイらしいけど、今は順位は関係ない。どれだけ貯金をするかが大事になってくる。夏場までに5割をキープしてくれればかなりの確率でAクラス入りができる。貯金のラインが5なら3位、10なら2位とね、上を見ることができる。そしてなんとしてでも開幕カードのリベンジね、やり遂げてほしい。先発は今日が誕生日の玉村。そして同じく誕生日の秋山にも期待だな。そして明日はアタクシの誕生日。喜びに浸りながら記事を書きたいものだねぇ(笑)
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