「広島10-1中日」(21日、マツダスタジアム) 広島が連日の猛打爆発で2連勝を飾った。
情報源: 広島 連日の2桁得点で大勝 野間が4安打の大暴れ 4連敗の中日は根尾登板
しかし不思議なもんだよな。前カードの巨人戦は3試合で5点しか取れんかった。3戦目の菅野の出来は非常によかったんで仕方ない部分はあるけど、巨人投手陣だって決していい状態ではなかったよな。それが、この中日戦では2試合21点。素晴らしいよな。
1番・野間が4安打!!生還率.666はスゴイ!!
じゃ、巨人戦と何が違うのか??そら、やっぱり「1番・野間」だよな。昨日も4安打の固め打ち。何よりも初回の出塁ね、初戦は泥臭い内野安打。この日はライト線に鋭い打球を疾走してツーベースにした。菊池のファーストゴロをビシエドが大きくはじく間にホームを陥れた。足も健在だよな。やはり初回先頭打者がこういう出塁の仕方や走塁をするとチーム全体が攻撃的なムードになる。まさに野間の足、走塁、そしてそれが点になるというのはチームを前向きにさせる、勢いを出させる効果があるよな。1番に座って得点がすでに4。6度出塁して4得点だから生還率は6割を超える。まぁ入団以来、それを球団も、ファンもずっと期待して待っていたけど、野間本人が空回りする場面が多かった。野間のこの日のような活躍ね、これをもっともっともっと、みんな早く見たかったのよ。もちろん、野間だってこの調子をずっと維持できるとは限らないし、調子を落とすこともあるだろう。その期間を最小限にとどめて、悪いなら悪いなりになんとかやっていかなきゃいかん。それを野間ができるかどうかが、今後のカープの行方を占うといってもいいかもしれない。野間もまだたった2試合だけど、1番打者を簡単に手放しちゃダメ。何が何でもこのチャンスを絶対にモノにして143試合終了まで絶対に1番打者として出続ける覚悟でやってほしいよな。
龍馬、宇宙から帰還!?技ありの一発!!
巨人戦と違う点はもう一つ。3番龍馬の調子が上がってきたよな。巨人戦の3戦目で25打席ぶりのヒットを打った。龍馬曰く、ヒットの出なかった24打席は「宇宙に行っていた」そうな(笑)。宇宙といえば無重力。打てなかった時は何か龍馬がふわふわしている感じがあったのは確か。どうやら大気圏くらいまでは戻ってきたらしい。4~6番が調子がいいし、仕事をしていただけにここに龍馬が加わればさらに点が入る。初戦猛打賞、この日もマルチヒット3打点。もう地球に戻ってきたら、二度と宇宙に行かなようにしてほしいもんだよな。
2回に出た一発は龍馬らしい一発だったように思うねぇ。真ん中インコースよりの真っすぐだったけどな、まずは岡野の投じた球は逆球。まぁこういうの球はまず力がない。その影響もあったとは思う。ただインコース寄りに来ると打者は体が早く開くか、足を動かしてしまう。こういう打者はなかなかインコースを打てない。捕手もこの打者がどういう調子なのか??見極めるためにインコースの反応を見るというのはよくある話。これ、宇宙を浮遊していたころの龍馬なら、よけ気味になるだろう。しかし還ってきた龍馬はその球をロックオンした途端バットを出した。これね、イメージ的に言えば相手が剣を振りかざしてきた。大抵の剣士はその剣を「よける」動作をする。しかし龍馬はその剣に対して、剣で勝負した。どちらが先に切られるか??一瞬速く龍馬の剣が相手の剣を制した。そんなイメージ。わかんねぇか(笑)。
インコースの球をあれだけ腕を畳んで、きちんと球を体の前で捕まえて振りぬく。ホームランの映像を見てもらえばわかるけど打った後、龍馬のバットが体に巻き付いていくようなフォロースイング。腕を畳んで振りに行ってあれだけ振り抜けるというのはなかなかできないし、振りぬいたからこそスタンドまで飛んで行った。素晴らしいのよ。
アタクシはもう45年以上カープを見てきているんだけど、カープの選手で一番「美しい」ホームランを打つのは前田智徳さんだと思う。神宮のレフトスタンドからみると左打者のホームランの弾道は横からなのでよく見える。打った時の打撃フォームの美しさと1塁へ走り出すシルエットのカッコよさ、そしてスタンドへ飛んでいくその打球の角度、そして心地よい滞空時間ね、本当に前田さんのホームランは芸術だった。最近の龍馬のホームランを見るとかなり前田さんのホームランに近づいてきているような気がしてきた。龍馬が20発くらい打つと得点力ももっと上がるだろう。決してホームラン打者ではないけど、打つ腕は持っている。これからも芸術的な一発をたくさん見せてほしいよな。
磯村、うれしい612日ぶりの一発!!
打線ではもう一つうれしい話題。磯村が久々に豪快な一発を打ったよな。磯村のホームランは大体レフトスタンドが多いんだけど、この打球はもっとセンターよりの左中間スタンドだった。打った瞬間、行くかな??といった打球だったけど、入ってよかったよな。
磯村の立ち位置というのは本当に難しいと思う。正捕手の曾澤、サードと併用の坂倉の次、3番手捕手という立ち位置。中村奨も捕手はできるけど、どちらかといえば代打。今季は延長12回制だから3番手捕手というのは最後の最後までベンチにいることが多い。そのままゲームに出ないで終わることもある。非常に難しい立場なんだよな。ここの所曾澤が打撃不振ということで、この日は1軍では初めて森下とコンビを組んだ。まぁ色々チーム事情はあるんだろうけど、磯村の打撃の調子やこれまでの献身的なチームへのフォローなんかを見ていると首脳陣だって「使ってやりたい」という気持ちにさせる選手なんだよな。カープは捕手のレベル…というか「打てる捕手」が多いんでどうしても3番手捕手になっちまうんだけど、一時はトレード要員になればほしいチームはたくさんあるとまで言われた実力者でもある。それでもカープには欠かせない選手だよな。だからこそこの1発という結果は本当にうれしかったし、よかったなという気持ちになる。これを機にゲームに出る機会がどんどん増えるといいよな。
森下、大量点を背景に7回を無失点4勝目!!
さて、先発の森下。結構ピンチを背負っていたような印象だったけど、終わってみれば7回を無失点。数字以上に粘って投げてくれた。そんな印象だよな。7回を95球だから決して悪いペースではないんだけど、結構ピンチを背負いながらの投球だった。無死満塁場面もあったけど、阿部が打った打球がサード正面のライナー。これで立ち直ったというか、森下自身が切り抜けられると切り替えられたのが大きかったように思うねぇ。初バッテリーを組む磯村とは初回、2回あたりは少しすれ違いの印象はあったけど、さすが一流の投手らしく対応していたよな。やはり白星というのは先発投手にとっては一番の精力剤というかね、よし次もとなる。次の登板は交流戦で全く勝てていないソフトバンクが相手。頑張ってほしいよな。
小林の使い方、中日・根尾の使い方
ゲームの方は1,2回で勝負あった。そんな感じだったよな。森下も前半を無失点で抑えたのでゲーム中盤あたりからスタンドのムードも緩んでいたように見えた。カープの大勝ムードに少々飲みすぎてしまったお父さんもたくさんいただろう(笑)。そんな中、中日は6番手投手に野手の根尾をマウンドに上げた。まぁ過去にも野手をマウンドに上げるというのは物議を醸しだしてきた。オールスターでイチローを登板させた仰木監督にセ・リーグ監督のノムさんが巨人松井に代打で投手の高津(現ヤクルト監督)を起用したという事件もあった。最近では巨人、原監督が野手の増田を登板させた。まぁオールスターと公式戦では全く意味合いは違うし、ましてや大谷のような二刀流の選手でもない限り、この野手の投手起用というのは完全に「チーム事情」が背景にあるんだよな。巨人の増田が投げたのも大敗の中投手を使いたくないという苦肉の策だし、今回の根尾の登板も立浪監督の苦しい胸の内を察すれば「仕方ない」のだろう。佐々岡監督も投手コーチの経験があるからな、「お客さんが喜んでくれたから…」と大人の対応だったし、「いい球を投げていた」とリスペクトも忘れていなかった。対戦した小園は中学1年以来の対戦ということを素直に「よかった」と。一方的展開の中、観戦に来たお客さんにとってもこのサプライズ登板はよかったんじゃないかねぇ??
もう一つの今季初登板があった。カープの期待の若手・小林が登板。残念ながら映像を見られなかったんだけど、結果は1回を打者5人に対して2安打1四球1失点とね、あまりいい内容ではなかったようだねぇ??もともとは「先発」でということで調整してきて結果を出しての1軍昇格。佐々岡監督が「見てみたい」ということでこの日の登板が実現したわけだけど、アタクシは正直、どうなのかなぁというのはある。それはなぜか??
一つは小林をどういう目的で1軍に上げたのか??先発投手は6人そろっているし、そこに先発をもう1枚加える必要はないよな。9連戦があれば、当然谷間ができるんでそこを狙っての昇格ならわかるけど、そういった日程はない。
と、なると当然手薄になっている中継ぎという立場で使うつもりなのだろう。ならば、アタクシはもっといい場面で使う方がいいと思う。もちろんプロだから、行けという場面で仕事をしなきゃいかんのだけど、ちょっとこの日の起用はムードが緩すぎる気がするし、その中で小林もなんとなく投げちゃった印象がある。おそらく佐々岡監督もロングリリーフの場面があれば…というのを狙っていたんだろうけど、そうはうまくいかないよな。ならば、例えばだけど、巨人との2戦目で薮田や矢崎を使うなら小林に2イニング投げさせたって良かったように思うねぇ。期待の若い投手だからこそアタクシはもっともっといい場面で「戦力」として使ってほしいというのはあるんだよな。この結果を踏まえて小林をどうするのか??次にチャンスを上げるのであればまだしも、これで再びファームなんてことはちょっとかわいそうな気もする。2軍から上げてきた選手は投手、野手に限らずすぐに使ってほしいよな。それがアタクシは一番の育成方法だと思うんだよな。
さて、これでこれまで分の悪かった中日との対戦成績も4勝6敗まで持ってきた。この対戦に限っては完全に内弁慶シリーズになっている。ならば、今日もしっかり中日を叩いて交流戦に入りたいよな。この1,2戦のような打線のつながり、爆発の勢いをもって一気に行きたいよな。中日の先発はこれまで手も足も出せていない柳が相手。この柳を1,2戦の勢いで飲み込むことができればかなり勢いに乗るような気がしている。
もちろん柳だけじゃない。これまではDeNA,阪神に対してはいい野球ができているけど、この中日にはバンテリンドームでは勝てないし、今季は東京ドームでも勝てていない。敵地で弱いよな。それと昨季の王者・ヤクルトには完全に飲まれて戦っている印象がある。この辺もこのつながる打線、1番野間から勢いをつける打線で何とか克服して行きたいよな。当然、苦手な交流戦もパ・リーグに圧倒されることなく、例えば打ち合いを制するゲームであったり、チームのエースを打ち砕くゲームなんかが出てくるとアタクシはカープ、勢いに乗っちゃうような気がしている。先発がしっかりしているからねぇ、上に行く「要素」はある程度あると思っている。そういう意味でも今日の「対柳」ね、今季のカギを握るゲームになる予感がビンビンするよな。
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