コンディション不良から復帰した広島・大瀬良大地投手(29)が、7回1失点で4勝目を挙げた。「なんとか元気な姿を見せて、チームに勝ちをもたらしたかったので一生懸命投げました。出し切ったあ~」と安どした
情報源: 【広島】大瀬良大地、出し切ったあ~4勝目「元気な姿見せて勝ちをもたらしたかった」
この真夏の9連戦ね、カープにとっては浮かぶも沈むも大事な9連戦とアタクシは勝手に位置付けてきた。折り返しの昨日のゲームね、これまでの課題であった「接戦」「1点差ゲーム」をモノにできた。個人的には非常に大きい勝利だと思うんだよな。
これまで阪神打線にコテンパンにされてきたイメージを大瀬良が、それも「エース対決」を制することができたというのはチーム全体に与える影響は大きいだろうねぇ。
エース対決は先に降りた方が大体負ける
もうプロ野球を見始めてかなりの年月が経っているけどな、シーズン中に何度かある「エース対決」ね、これは見ごたえのある投手戦の確率が高く胸が躍る。このゲームもカープ大瀬良、阪神・西の投げあいね、カープはどちらかと言えば西を苦手にしているし、立ち上がりを攻めるのが攻略法だろうねぇ。
初回、その立ち上がりを絶好調の長野が一発。まぁできればランナー置いての一発がよかったけど、贅沢は言えない。非常に大きな先制点だったよな。西はイニングを追うごとによくなってくるタイプだからな。
しかし大瀬良が直後の先頭、大山に一発を浴びる。本当に「束の間」のリードだったよな。ただ、これで両投手が引き締まってきたよな。お互いランナーは出してもそこからギアを上げて、失点を許さない。エース対決にふさわしい内容だよな。
こうなると両軍のベンチがどういった方向性を持って試合終盤を戦うのか?という一つの大きな決断をしなきゃいかん場面に遭遇する。そう、「エースの代え時」だよな。
代え時といっても、エースがヘバるということではなく、どうやって勝ち越し点を取っていくかということ。チャンスで投手にまわってきた場合の判断ね、これが難しいよな。まぁセリーグの野球が好きなのはこういう部分。両監督とも悩ましいよな。
先に動いたのが阪神だよな。7回の攻防。サンズ、ボーアの連続ヒットから1死満塁のチャンスに9番・西にまわってきた。ここで勝負をかけるのは当然だろう、矢野監督は代打にベテランの福留を起用した。ここで西はお役御免だよな。
そして3塁ランナーも1発の期待ができるボーアを引っ込めて代走に熊谷を起用。勝負に出たよな。阪神としてはこの回で何とか決めなきゃいかんかった。
正直、アタクシは福留で良かったと思った。ここで昨日もタイムリーを打っている中谷や、勝負強い北條の方はイヤだった。
結果は大瀬良が見事に踏ん張りセカンドゴロゲッツーで切り抜けた。この時点で大瀬良が西よりも「残った」。大瀬良が珍しく雄たけびを上げたのはこのエース対決の勝利者になった喜びから来たんじゃねぇかねぇ。
付け加えておくけど、あのセカンドゴロゲッツーの二遊間ね、やっぱり素晴らしいよ。捨てがたい。ほんと、この二人にはもう少し打ってくれれば…そこだけなんだよな。
坂倉に感じる「強打者」のオーラ
先にエースを引っ込めた阪神。ここで藤川球児の出番だよな。しかし相変わらず藤川球児の真っすぐってのは惚れ惚れする。
このゲーム、打順の巡り合わせというのも勝敗を分けたように思う。この回の先頭は大瀬良。ここで代打、大盛の登場。出せば、言葉は悪いけど「ウザい」打者。藤川もウエスタンで大盛の姿を見ているはずだよな。
ここで大盛は慌てずに四球を選ぶ。続く西川に対してどんな作戦を立てるのか?非常に難しい選択をしなきゃいけない場面だった。できれば大盛を走らせたいが、阪神バッテリーは梅野の肩、藤川の牽制と超一流。かといって龍馬にバントも躊躇してしまう。いろいろ考えているうちにあっという間に龍馬が追い込まれてしまった感じがした。この辺、ベンチはしっかりやってほしいんだけどな(笑)。
ここで幸運の女神がウィンクでもしたんだろうか?1塁への牽制球が大盛の頭に当たり「イレギュラー」した(笑)。これでセカンドにランナーを送れた。助かったよな。
龍馬が倒れて、羽月のところで代打坂倉。羽月がどういう打撃をするのか見て観たかったけどな、試合は終盤、ピンチの後に訪れたチャンス。ベンチは勝負をかけたよな。
坂倉が打席に入った途端、アタクシは打ちそうな気がした。イメージはライトオーバーの長打。そう感じさせるほど坂倉の構えから「強打者」のオーラを感じた。
基本藤川の配球というのは真っすぐ中心でそれを見せてのフォーク。ただ、この登板ではフォークが「抜けていた」。まぁ今季藤川が今一つ結果が出ていないのはこのフォークの精度なんだろうねぇ。
対する坂倉は藤川の繰り出す真っすぐに積極的にバットを出した。タイミングはあっているかに見えた。
これを藤川が察したのはある意味、必然だろう。「落とせば打ち取れる」。そんな印象を持っていたと思う。
そして、5球目はフォークを「置きに行った」。そこを坂倉が無理に引っ張らずにセンター返し。まぁアタクシのライトオーバーとは全く違う結果になったけどな、このヒットは坂倉が発する「強打者」のオーラね、藤川をもってしても真っすぐいったらやられると感じさせてしまうオーラがこの結果につながったように思う。本当に今後が楽しみな打者だよな。
自信とコントロールが身についた塹江には冷静さもプラスされてきた
このゲーム、継投策という角度から見るといかに6回、7回が難しいかというのがわかる。西は6回で降板し、7回、代わった球児が打たれた。片や大瀬良は7回を投げ切って8回からの継投策。やはり先発投手が白星をゲットするには7回を投げ切るというのが一番確率が高いように思うよな。
8回のマウンドには塹江。どうだろう?この展開で塹江以外の投手がマウンドに上がるとしたら、そら、同志の皆様も勝っている気がしないだろうねぇ。ましてや先頭を出したとなれば、もう見てらんねぇ!! という気持ちも、よくわかる(笑)
先頭の近本に粘られて四球を与えた。先頭打者を出すとムードがガラリと変わる。続く木浪は送りバントを決めた。ピンチだよな。
しかし、塹江の顔には笑みがあった。ようし、ここからが勝負だと言わんばかりの「余裕」すら感じた。これ、他の投手ならかなりの大ピンチ。會澤もこの辺から外一辺倒のリードに変化しそうな場面だよな。そして阪神はクリーンナップを迎えるんだから、なおさらよ。続く糸井を初球ファーストゴロで打ち取る。この間にランナーは三塁へ。薮田ならワイルドピッチで同点にされそうな場面(笑)。打者は4番大山だよな。
塹江のいいところは右打者のひざ元にぶつかってきそうな感じで曲がってくるスライダーね、これがある意味「キメ球」になっている。そのおかげが會澤のリードも大山に対してインコース中心だった。
真っすぐを3球続けて印象を植え付けさせて、最後はスライダーの連投で打ち取った。この辺バタバタせず打者を攻め続けた塹江に軍配が上がったよな。
塹江には自信というものが垣間見れるようになった。それはコントロールの安定から来るものだろうねぇ。
テイクバックを小さくすることで制球力が上がった。本来本格派の投手というのはスピードや威力の低下を気にしてテイクバックを大きくとりたがる。塹江もかつてはそういう投手だったと思う。ところがテイクバックを小さくしても球の威力は変らないし、スピードも150キロを連発する。まぁあの下半身の太さを見れば、決して腕だけで投げているわけではなく体を上手く使って安定したコントロールを身に着けた。これによって大きな自信が芽生えた。
その自信がマウンドでの「冷静さ」を生み出す結果になっているように思う。ピンチになっても慌てない。自分の投球に専念する。本当に頼もしくなったよな。
2カード連続勝ち越しでじわじわと膨らみ始めた期待感
最後はフランスワが締めた。真っすぐで空振りを取れるかどうかが、この投手のバロメーター。きっちり3人で締めてくれた。これで初めての1点差勝利。そして2カード連続勝ち越し。明るい兆しがようやく見え始めたよな。
これまで調子を落としてきたチームがマツダで息を吹き返すような展開が多かった。開幕から勝てなかった阪神がマツダで勝ち越してから一気に借金を返した。
連敗で乗り込んできた巨人に3タテを食らい、その勢いに再点火を許してしまったよな。
今回は巨人に負け越して広島に来た阪神。ここで再度勢いをつけようと乗り込んできたことだろう。これを見事に返り討ち。ゲーム差なしで阪神とほぼ並んだよな。これまでと違った展開が出てきた。
若い選手が個性を見せ、ベテラン選手も元気、誠也はしっかり4番の役目をはたしている。大瀬良が戻り先発ローテがジョンソン以外は安定し始めた。そして今季初めて勝利の方程式で、1点差ゲームを取れた。じわじわと色んな意味で戦力と自信が整ってきた。そんな感じだよな。
この日もエース対決を制した。少し勢いが出てきたようにも思う。まだ試合数はある。首位巨人とのゲーム差は6。それほど遠い背中だとは思わない。まだまだチャンスは十分にあるよな。
今日の先発は前回完投勝利を上げた遠藤。いい投球を続けてできかというのが今後の課題だろう。頑張ってほしいよな。
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